なんか冴えないルックスの著者が戦場都市でナンパだ何だと書いているので、一見「何だ、このチャラチャラした奴は?」と思ってしまうのだが、読んでみるとこれが結構面白い。
変な見栄を張って格好つけたがる人間には決して書けない赤裸々な記述と、目的(戦場に行くこと、撮ること、記事として採用されること)の為の現実的で無駄のない方法論。この著者は、目的達成のための「正しい努力の方向」を実によく理解している。そして、戦場で飛び交う砲弾や爆弾を避ける為の冷静な観察眼。頭が良いんだな、と感じた。
「ジャーナリストでござい」という気負いの無さが為し得た名ノンフィクションだが、同時にそういう使命感の無さは、今後どこに行き着くのだろう?と、いらぬ心配をしてしまうところもある(笑)
しかしこの著者の人柄には割と共感できるものがあった。開高健がベトナムでかくあろうと努めた「ただ、見る」という姿勢を、彼は自然体でこなせているのではないか…と言ったら褒めすぎか。彼には今後も、あるがままを見る戦場リポーターとして、彼にしかできない取材を続けて欲しいと思った。
読み終わって見返すと、各地の女の子と肩を組んでニヤケている著者の顔が、なぜかそれなりにりりしく見えてきたりもするのが不思議だ。