1914年クリスマスの日、第一次世界大戦さなかの西の最前線で実際に起きた非公式の休戦協定を描いた作品。
その日、政治家や軍上層部の者たちが、着飾ってクリスマスを楽しんでいる頃、最前線にいる兵士たちは、いつも通り寒さに耐え、任務に就いていた。クリスマスの気分を盛り上げようと持ち込んだクリスマスツリー、歌われる賛歌は、向こう側の敵陣からのクリスマスキャロルで応戦される。それが、誰もが戦いたくないと願うこの日の奇跡の始まりだった…。
大声を出せば向こう側に聞こえるくらいの近距離線だったこと、決定を強制する政治家などがその場に存在しなかったこと(映画には描かれていないが、政治家の攻撃命令を軍の上層部が無視したのもこの年のクリスマスである)など、この時代ならではの様々な要素が休戦を可能にした。とても人間くさい話である。
共にクリスマスを祝い合える人間たちのどこに闘う必要があるのか。政治の場と現場の差をまざまざと描き出しているといえるだろう。死にたくない、殺したくもない…という人間らしさが戦場に存在するということを知ってほしい。そして、闘わずに解決する方法を考えて欲しい。そう思わずにはいられなくなるいい映画だ。