小説の描写的な展開というよりも、映画の具体的な映像を読んでいるような本でとてもイメージがわきました。そして題名は「戦場に輝くベガ」というよりも、副題である「約束の星を見上げて」が、この物語にはピッタリとくる思いました。悲惨な戦争に否応なしに巻き込まれてしまい、添い遂げることができなかったあの時代の純愛が描かれ、なんとも哀しげで切なくて、純真に生きたあの時代の若者たちの姿が手に取るようにわかりました。今を生きる若者たちに、絶対に読んで貰いたいお話だと思いました。
また、戦時の秘話もいたるどころに散りばめられ、興味深く読むことができました。その中でも、軍用機が夜間飛行では星を頼りして飛んでいたことは想像外でしたし、二重被災に遭う久子の東京・甲府の大空襲はドラマチックでもあり、ことに偶然とはいえ七夕に焼夷弾を投下された甲府空襲には驚愕でした。
星を巡る物語があり、若者たちの悲恋があり、家族の絆あり、空中戦あり(満天の星の中の夜間飛行は特に観たいなぁ)、等々盛り沢山でした。
是非映像化して頂き薄れて行く戦争の記録の一片に残して欲しいと思います。