パレスチナ問題についてほとんど大枠でしか分かっていない。
先日、ユーゴスラビアで起きた殺戮についての番組をテレビで見た。
昨日はたまたま「カティンの森」というポーランドの将校がソ連軍に虐殺された事件を描いた映画を見た。
時と場所は違うが、数え上げればきりがないくらいに人間が人間に対して残酷なことを繰り返してきたのだな、と改めて思う。
虐殺の日の記憶が抜け落ちた主人公が、当時近くにいたはずの人間を訪ねて回るというのがこの映画のストーリーである。注目すべき所は、登場人物たちが交わす一つ一つの会話がものすごくリアルに感じられる点だ。戦後、それぞれの生活を送っている男たちのそれぞれの顔や語り口が極めて丁寧に描かれていると感じられる。中東ブームに乗って「豆コロッケ」を売りまくった男や、罪悪感に耐えきれず遺族と距離を置くようになった男、戦時中に過激な行動に出て銃を乱射した男は今でも過激なままだ。ほとんど同じような言葉がイラクから戻ったアメリカ兵の口からも聞けそうだし、この線で行くと、それぞれの男たちが戦争という狂気の場でそれぞれの振る舞いをした。それが戦争だ、と言っているようにも受け取れる。アニメーションぽくリズミカルに爆撃したり、音楽に合わせて住宅地を砲撃したりしているシーンについてよく考えてみると、描き方があまりにも軽くないか? と疑問に思ったりもするが、実際そういう気分で行われた部分もあるかも知れないと思いもする。
ラストシーンに本物の映像が映され戦争の痛ましさを見せつけられるが、この映画自体がアニメーションで作られていることにより、いっそう心の奥に入り込みやすく、より内省的になっているのだと、評価したい。