報道でのアフリカやアジアの内戦というのは知っていても、実際その国で生まれ、巻き込まれ、生き抜いた者の体験は想像を絶するものがある。
きわめて抑制された文章で書かれているし、必要以上に残酷な描写や出来事はおそらくあえて書かれていない。
それでも行間からにじみ出てくるリアルと絶望は、どんな創作からも伝わってこないものだ。
どの場面も強烈だが、あえて印象に残ったものを挙げると、
更正施設に入れられた主人公を含む少年たちが、そこで敵対する反政府ゲリラの少年たちを見つけるや、直ちに殺害しようとするエピソード。(主人公は政府側で戦っていた)
戦争の狂気、なんて言葉で言い表せない感情がそこにある。
これほどの状況から生き残って渡米まですることができた主人公の信じられない幸運に、我がことのように胸が熱くなる。
戦争のない現代日本に住む我々だからこそ、多くの人に読んでほしい一冊。
そして、まったく無関係ではあるが、
彼女がいない、友だちがいない、認められていない、挫折した、
などを理由に罪もない人々を無差別大量に殺害する、現代日本の通り魔殺人に、
なんという豊かさゆえの貧しさか、と慄然とするばかりだ。