PC使用での合成と背景の簡略化は目立つが、鎧武者の描き込みなどはもの凄く、筆力の衰えを感じさせなかった。
この漫画のセールスポイントは、資料の多い戦国時代ではなく、15世紀という話題にならない時代を背景にしたところにある、と思う。鎧兜の形式や鉄砲の登場しない弓矢が主体の合戦光景などは資料を見ればわかることだと言えばそうなのだが、このように動きのある絵で表現されたことはあまり憶えがない。
それから『戦国八犬伝』という名称が煩わしいが、これはいわば『南総里見八犬伝』の序章ともいうべきもので、一応この巻だけで完結しているようだ。
それだけに後半は少々急ぎ足で里見義実の安房入りからは大幅に省略されており、八房あたりのくだりでいきなり史実と思われていたものと後世の創作が交じり合っていて唐突な印象を受ける。