この本は、歴史好きにも、焼き物好きにも、ゲーム(『信長の野望』等)好きにも大変興味深く、楽しく読める本だと思いました。戦国時代を茶の湯という切り口からみるのは、ありそうで今までなく、しかし実は決して無視できるようなテーマでも無かったことに気付かされます。読み易いのに、それでいて、決していい加減な内容ではありません(巻末の名物茶道具の所在確認でも分かりますし、著者は茶道に関してかなり本格派ではないかと思いました)。
ただ1点、気になったのが、新田肩衝を信長が所有していた、という記述(P.79)で、他書では信長の手を経ていなかったことになっています(『茶人 豊臣秀吉』,P.156)(どちらが本当なんでしょう)。
私は、以前から、戦国武将が、茶道や茶道具に血道をあげることに違和感を感じてましたし、当時の名品と言われるような茶道具がいくつかを除いて、現在、必ずしも国宝や重文のような評価をされていないのをちょっと不思議に思っていました。
この本をきっかけに、つらつら考えるに、当時の武将らにとっては、オランダのチューリップバブルのような、茶道具バブルが起こっていただけなのではないか?という気が今はしています(ということは、歴史的バブルの最初は日本で、かつそのきっかけを作ったのが信長、ということになりそうな・・・!?)。