まあ原著は専門家をして難解と言われる本で自分には読めるたぐいの本ではないので、そういう意味でどのぐらい忠実かに関しては気になるところもないわけではないですが、これはこれでなかなか野心的な作りをした作品であると思います。
序盤から中盤にかけて戦術や戦争の基本戦略の話も扱っていて、これを求めていたならこれは面白いでしょうね。いわゆる兵法書系の話もまた別の視点から書かれており面白いです。
でもこの「戦争論」の本質、および書いた理由が登場する中盤が終わったころの内容から急激にこの「戦争論」の面白さ、重要性が増しています。
「戦争は政治の手段の一つ」
なんて言葉はもしかしたら聞いたことがあるかもしれないですが、その内容に入っていきます。
クラウゼヴィッツ自身はこの作品(漫画ね)でも扱われるようにナポレオン戦争の直後に亡くなっているので、その後のWW1だのWW2というそれまでのヨーロッパにおける戦争の常識とはかけ離れた戦争以降を知りません。
であるがゆえに「そんな古い話を」と思いがちなところを、ある時期を境目に急激に見直されたのが原著なのだという話なのです。
単に「戦争論」で語られる内容の解釈において、そこから派生して現代の戦争観にも適用する話まで扱っています。
絶対的戦争、国家総力戦などがナポレオンの時代までの戦争、その後の制限戦争、非対称戦争なんていう戦争分類もその筋の本見ないと特に気にはしないし見ない言葉ですよね。
でキャスパー・ワインバーガーのドクトリン(1984)まで扱っているのは見事。
核ミサイル詳しすぎだろwというのはともかく、
一体誰がこういう解釈をしたのかというのがヴェールに包まれているところがちょっと怖い本書ですが(思考停止はあかんとかは原著者の言葉なんだろうかとかね)、でも未来に向かっての戦争について考えることの意義を見せてくれていると思います。
以上けっこうこの手の内容を読むにあたっての指針にはなってくれそうな本です。
あとは余禄だと…
ちゃぶ台でガイジン風のやつが箸持って液晶テレビ見ているシーン(ラス前のページ)は突っ込みを入れた。