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戦争論理学 あの原爆投下を考える62問
 
 

戦争論理学 あの原爆投下を考える62問 [単行本(ソフトカバー)]

三浦俊彦
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

究極のテーマで学ぶ クリティカル・シンキング

歴史的事実を検証しながらもっとも合理的な結論に達する──
斬新な論理思考演習のテキスト
パラドクス・シリーズ 応用論理編

内容(「BOOK」データベースより)

究極のテーマで学ぶ、クリティカル・シンキング。歴史的事実を検証しながら最も合理的な結論に達する。新しい論理思考演習のテキスト、パラドクス・シリーズ応用論理編。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 288ページ
  • 出版社: 二見書房 (2008/9/1)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4576081217
  • ISBN-13: 978-4576081212
  • 発売日: 2008/9/1
  • 商品の寸法: 20.8 x 14.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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26 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
この本では先におきた戦争、その中でも米国による原爆の投下の是非を争う際に出るであろうさまざまな論点が整理され、それにまつわるいろいろな議論の長所短所がわかりやすく述べられている。
言わば紙で出来た議長のようなものである。

記述は極めて論理的であり、またこの手の本にありがちな感情的な議論や細々としたマニアックな議論が注意深く排除されている。
よって、あの戦争やあの兵器について特別な知識を持っていなくても物事を理詰めで考えることのできる者ならば誰でもこの本の内容について行けるであろう。

安易に決定版の答えを求めたり、悲惨な出来事を利用してナルシズムを満足させるようなまねはやめて、地に足のついた議論をしたい。
そう思う者にとってこの本は良いパートナーとなるに違いない。
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14 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
原爆投下に関わる62個の見解(俗説?)について、論理学のハサミを使ってぶった切っていくという内容です。読んでみると意外と面白いですし、また、書かれている内容にも同意できます。なんとなく抱いていたモヤモヤについて一つの結論を提示してくれる本です。

このような良書こそ、もっとキャッチーなタイトルで広く読まれて欲しいのに、敷居の高いタイトルと素っ気無い装丁で損をしている気がして、もったいない気がします。(よく売れてるのでしたらスミマセン)

が、ちょっと引っかかる点があります。

「仮に、この問題について、このような前提でこの観点から考えれば、一応はこういう結論になる」ていう話なら、おっしゃるとおりです(そこで間違えてるようでは話にならんでしょうが)。でも、「この問題についてはこれが結論である。そう判断する前提はこれで、根拠はこうだ。」と言われると「ちょっと待てよ」という気分になります。

62種類のハサミについてハサミの選択は適切か、また、考慮すべき前提情報の範囲は適切かについては、文章からはなんとも言えません。著者が選択して設定した土俵でなら、勝つのは当然でしょう。

まあ、ハサミについては、論理的に正しい言説は全種類の論理学のハサミをクリアーするはずですから、どれか一個に切られれば、論理学的にはアウトでしょう。でも…そもそも、こういった政治的な主張について、完璧に論理的なものがどれだけあるのかというと…どれも大なり小なり矛盾を抱えていて、可能な選択肢の中からベターなものを選べれば御の字じゃないでしょうか?

次に、前提情報については、それが適切かどうかは保証の限りではなく、読者の歴史知識で判断せざるを得ません。ある主張について、主張者が考慮し重視していたのにこの著者が無視してしまった前提情報があれば、結論の説得力は揺らぐでしょう。もっとも、私がざっと読んだ限りでは、最初に同意と述べたとおり、おかしな点は見つけられませんでしたが…

さて、そう考えると、この本は、「原爆について流布している見解の誤謬を正す」というにはやや足りてなくて(その切っ掛け、一石ではあるとしても)、「歴史を題材にして論理学を学ぶ・応用してみる」という応用論理学の本だということになりますかね。

で、そういう観点でタイトルを見ると…まったく適切なタイトルというべきですかね? うーん…

最後に、この本を読むにあたっては暗闘―スターリン、トルーマンと日本降伏が必読と思います。あと、戦争倫理学 (ちくま新書)も。。。
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形式:単行本(ソフトカバー)
「戦争論理学」書評

原爆投下の前提になっているのは日本占領である。その占領のためのコストである人的損失が原爆投下による人的損失と比較され、原爆投下を正当化するロジックとされている。アメリカにおける論争のなかで「大真面目に」に議論されている。日本占領のための地上戦という「反実仮想」による犠牲者数と原爆投下による犠牲者数を比べている。

更に日本占領は「無条件降伏の要求」がその前提となっている。

p97で著者は無条件降伏の要求を正しかったとする「可能性」を論じている。
その論拠としてナチスのユダヤ人迫害政策やホロコーストをあげている。
日本軍については中国で毒ガスと細菌兵器が使われていた事を挙げている。

これはでたらめだ。戦争中にアメリカがナチのユダヤ人政策を非難したり、戦争理由として言及した例はないはずである。
日本軍の中国における毒ガス使用や細菌戦についても同じ事である。戦争中いつアメリカはそれらの事に言及したか?
していれば自軍の軍隊を鼓舞するものになったはずなのにである。

さらに日本軍の毒ガス使用と細菌戦についてはその「実在」が疑わしい。少しでもあるなら東京裁判で取り上げられるはずではないか。無条件降伏という超重要な決定の根拠になったのであれば尚更である。

著者はこの点史実を踏まえていないか、ホロコーストなど史実を踏まえているとしても、完全に後知恵で無条件降伏要求を弁護しているのである。この点、著者の反論を聞きたいところだ。できないだろうけど。
戦後になってもユダヤ人の多くをホロコーストから救った杉原千畝をアメリカ軍、政府は探し出し、顕彰することもなかった。アメリカ政府は戦前戦中戦後を通じてユダヤ人難民に「特別な」関心などなかった。ホロコーストが注目されるのは戦後もずっと後になってからだ。完全にあと知恵で過去の戦争を正当化するためである。これは「戦後における戦争プロパガンダ」である。そして著者はそのプロパガンダに乗っかっているだけだ。戦後日本や欧米の歴史家の多くがそうであるように。

「無条件降伏の要求」を正しかったとする「可能性」を論じるにすぎない著者の問題提起にすら、上記のように「戦後の戦争プロパガンダ」が入って来てしまう。プロパガンダの恐ろしさを我々は知るべきだろう。

しかも、「論理的正しさ」ではない、「倫理的正しさ」を問題提起しているように思える。
731部隊のやった人体実験について東京裁判では提訴されなかった。アメリカは倫理的に裁く事には関心がなかったようだ。
ひたすら実験データを入手する事を最重要視していた。原爆投下についてABCCが被爆者の治療をせず、ひたすらデータを集めようとしていたように。
原爆投下には「人体実験」の側面がかなり濃厚だ。人体実験だとすると、アメリカ軍の将来起こりうる核戦争に備えた是非とも必要とした実験ではなかろうか?

著者が倫理に関心を持つのなら、この点を追及してみてはどうだろうか?トルーマンは何とかして原爆を投下したかった。先行研究もある。

さて、そんな冷酷無比なことをしたナチスに劣らないトルーマンであっても私は彼を弁護できるし、そうしなければならないとさえ思っている。

その事はいずれどこかで書くだろう。

’11年12月27日追記

日本軍による細菌戦、毒ガス戦については中国において幾らかあったようである。

原爆の人体実験について「トルーマン弁護」を試みよう、とするほどの私は相対主義に立つ。

「絶対なものは無い」
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