ビジネス書などでもこの本を扱ったものがあるぐらいなのですが、
ほんとにこの「戦争論」を呼んで感銘をうけたのかなぁ、とよく疑問
に思います。最初の部分はともかく、大半は19世紀前半の技術を
ベースにしたテクニカルなお話で占められてるので、現代の一般人に
とってはあまり面白いものではないと思うのですが・・・
この岩波版「戦争論」がいまいちなのは以下の4点です。
1. 戦史の知識が必要では?
これは読む側にも問題があるでしょうし、また岩波版に限ったこと
ではないですが、ナポレオン戦争やフリードリッヒ大王の戦争に
ついての記述があちこちにあり、それらを知らないと読んでも
よくわからないのではないかと思います。訳注だけではつらいでしょう。
2. 地図がない
事例として戦史が書かれている部分は詳細な地図が絶対必要ですね。
3. 文体がなじめない
頻出する「かかる…」(関係代名詞の訳のようですが)などなど、
篠田氏が他に訳しているカントもそうですがかなり読みずらいです。
4. 拠っている版の問題
他のサイトで書かれていたことですが、ドイツ語版の初版と第二版
とでは内容に無視できない差があるそうで、クラウゼヴィッツの意
図を表しているという意味では初版がよいそうです。
第二版で編者により改訂された文章は、クラウゼヴィッツの基本思
想と反するような内容らしいです。岩波版は第二版の流れをうけた
版をもとに訳しているとのこと。