毎年、夏になると野坂昭如原作の悲しいアニメ「火垂の墓」がテレビで放映される。
そこで、このアニメの原作者の作品をなにか読んでみようという気になった。
本書は「昭和20年8月15日」を書き出しとする12編の戦争童話から成り立っている。ただ、第9話「八月の風船」は風船爆弾の話だが、事実をそのまま易しく書いた話なので厳密には童話とは言えないかもしれない。
残り11話は、戦争の不条理、戦争残酷さを抑えた筆致で書いた、大人が読んでも、子供に読み聞かせて良い哀しいお話である。ほとんどの話は、主人公が最期には死んでしまう。しかし、死んでいく彼らや動物たちにも、なぜ自分が死んでいくのか分かっていないところが一層哀れである。
日本の敗戦後、今年で66年目に入る。戦争を知らない世代に是非読んで貰って、戦争の不条理を感じ取って貰いたい。