イラク、パレスチナ、アフガニスタンを中心に、米や米の傀儡による侵略の現場に行き、取材し続けている著者。
ベトナム戦争で侵略される側からの取材を容認してしまい、本土で反戦の声を生んでしまった失敗経験から、米軍は侵略者側からの取材しか認めず、コントロールされた情報だけが分かり易く加工され大手メディアで大量に流されるようになり久しい。
その結果われわれは知らず知らずの内に国際貢献との善行意識を持って日本軍の派遣を捉えてはいまいか?
ボスニアの民族浄化、中近東の宗教戦争などステレオタイプの情報は、現地での事実の前にはかき消され、劣化ウラン弾被害や医療品の禁輸措置で死なねばならぬ子どもたちの姿に読者の目は開かれよう。
「ジャーナルストの敗北」との言葉も出てくるが、確かに被写体の命がその場で救われる事はないにしても、それを伝える本がベストセラーにならずとも、反響が思わしくなくとも未来に向けて無駄な事は一つもない。
現場での虚しさは想像できるが、この言葉は使って欲しくなかった。
後半沖縄の基地問題等について触れられているが、紙幅もなく、あえて広げるよりは日本では知られていないアチェやレバノンについて書かれた方が更に良かったように思う。
パキスタン製のテントを、軍を派遣せんが為の口実として在パキスタン日本大使館に500張用意しているにもかかわらず315張運んだり、中村医師のNGOが行った何百Tもの小麦粉で50万人の餓死救援以下の事しかせず、浄水場も給水車もあるサマワに給水援助を行った事は知られてはいない。
先ずは、本書等で隠された事実を知る努力をすることが求められている。