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戦争を止めたい―フォトジャーナリストの見る世界 (岩波ジュニア新書)
 
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戦争を止めたい―フォトジャーナリストの見る世界 (岩波ジュニア新書) [新書]

豊田 直巳
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

破壊される生活、奪われる命…。塾講師からフォトジャーナリズムの世界へ飛び込んだ著者は、さまざまな紛争地を訪れ、戦場の現実を目にする。怒り、悲しみ、悩みながら、そこに生きる人々の願いを写真に託し、世界をめぐる。自らの取材体験をもとに、平和の意味、日本のいまを問う。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

豊田 直巳
1956年、静岡県生まれ。83年よりパレスチナやアジア、旧ユーゴスラビアなどの紛争地をめぐり、そこに暮らす人々の日常を取材。日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員。2003年、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 234ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2009/4/21)
  • ISBN-10: 4005006213
  • ISBN-13: 978-4005006212
  • 発売日: 2009/4/21
  • 商品の寸法: 17.6 x 11.2 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By ぽるじはど トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 イラク、パレスチナ、アフガニスタンを中心に、米や米の傀儡による侵略の現場に行き、取材し続けている著者。
 ベトナム戦争で侵略される側からの取材を容認してしまい、本土で反戦の声を生んでしまった失敗経験から、米軍は侵略者側からの取材しか認めず、コントロールされた情報だけが分かり易く加工され大手メディアで大量に流されるようになり久しい。
 その結果われわれは知らず知らずの内に国際貢献との善行意識を持って日本軍の派遣を捉えてはいまいか?
 ボスニアの民族浄化、中近東の宗教戦争などステレオタイプの情報は、現地での事実の前にはかき消され、劣化ウラン弾被害や医療品の禁輸措置で死なねばならぬ子どもたちの姿に読者の目は開かれよう。

 「ジャーナルストの敗北」との言葉も出てくるが、確かに被写体の命がその場で救われる事はないにしても、それを伝える本がベストセラーにならずとも、反響が思わしくなくとも未来に向けて無駄な事は一つもない。
 現場での虚しさは想像できるが、この言葉は使って欲しくなかった。

 後半沖縄の基地問題等について触れられているが、紙幅もなく、あえて広げるよりは日本では知られていないアチェやレバノンについて書かれた方が更に良かったように思う。

 パキスタン製のテントを、軍を派遣せんが為の口実として在パキスタン日本大使館に500張用意しているにもかかわらず315張運んだり、中村医師のNGOが行った何百Tもの小麦粉で50万人の餓死救援以下の事しかせず、浄水場も給水車もあるサマワに給水援助を行った事は知られてはいない。
 先ずは、本書等で隠された事実を知る努力をすることが求められている。
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形式:新書
著者さんは、フリー・フォトジャーナリストとしてパレスチナやイラク、ユーゴなどの戦場を巡り、戦争や紛争の犠牲者や、劣化ウラン弾による被害者など、つねに現地で苦しむ人々の立場から報告を続けてきた。

各地の紛争の歴史的背景や現状を噛み砕いて説明してくれている上、そこに著者本人が目撃・体験したことや、現地で出会った人たちの声が加わり、テレビのニュースでは「遠い海の向こうの、よくわからない戦争」と思えていたものが、身近なものとして感じることができる。

これは、ジャーナリストになるまで塾の講師をしていたという著者の、説明のうまさによるところも大きいと思う。

ユーゴやイラクの内戦などに、メディアが「民族紛争」とか「宗教戦争」というレッテルを貼ることによって、かえって戦争の本質をわかりにくくしてしまっている、という指摘は大いに納得できる。民族・宗教・宗派の違いを強調するのは、戦争を続けたい人たちなのだ。

昨年末からイスラエルによって行なわれたガザ攻撃に際して、国内での仕事のため現地に飛べなかった著者は現在在住している東京多摩地区で、ガザの子どもたちの写真展と講演会を行ない、小さなカレーハウス&バーが会場だったのだが、連日入りきれないほどの人が訪れた。

本書では、外国の戦争の話だけでなく、日本政府の異常さも指摘されている。

自衛隊の「復興支援」のためのイラク派遣や、莫大な費用をかけて行なった「アフガン難民のために」なされたという「人道支援」にも疑問を投げかける。

アフガン難民であふれるパキスタンに、パキスタン製のテント300張りをわざわざ日本から莫大な費用をかけて自衛隊機で送り「素晴らしい国際貢献をした」と胸を張る政治家……(ペシャワール会などのNGOの方が、ずっと実質的な食糧援助をし、50万人もの人を救援しているというのに)

米軍基地建設反対が過半数を超えた県民投票も市民投票も無視して基地建設を決めた、民主主義無視の政府……

日本にある基地で、アフガンやイラク攻撃のための米軍の訓練が行なわれているのだし、米兵によるレイプや、米軍車両や米軍機による事故、そして騒音被害も続いているのに。

劣化ウラン弾に関しても、著者は自衛隊の派遣されたサマワまで行き、ガイガーカウンターで自ら測定したり、帰国後発病したイラク帰還兵をアメリカまで訪ねて取材している。日本の川口順子外務大臣(当時)は、「米軍はイラクで劣化ウラン弾を使用していない」と言い張っていたが、米軍自体が使用の事実を認めていた。そこを追求しようとしない日本の大手メディアのダメダメ体質……

この本を読んでいると、考えさせられることが一杯だ。

ジュニア新書ということで、青少年向けに書かれた本ではあるが、大人が読んでもとても読み応えがあるし、大いに考えさせられる一冊。

ぜひオススメです。
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