とても読みやすい翻訳だと思います。ただ、原書の版の違いがあるのか、私の手許にある本と比べて所々に省略があります。この点に関しては批評出来るだけの知識も資料も無いので、その事実を書き留めることしかできません。
あと、第3巻の第4章半ばで、「五分後には通りには人がいなくなった」という段落の辺りで料理女が負傷します。工藤精一郎さんの訳ではバケツ(ведро)の破片で怪我したようになっていると思いますが、これは榴弾の破片で太腿(бедро)を怪我したというのが正しいのではないかと思います。原文を引用すると、Кухарку с бедром, разбитым гранатным осколком, снесли в кухню. もちろん、原書の誤植という可能性も否定しきれませんが、内容から見てもバケツはちとおかしいです。とはいえ、大変お世話になったこの翻訳をけなすつもりは毛頭ありません。