戦艦大和ノ最期を書かれた吉田満さんの最後の文章「戦中派の死生観」を含む遺稿集。
戦争に参加し死生の間に自分を置いた人が、戦争とは戦後とは日本人とはを考え文章に
刻みこんでいる。著述家ではなく実業に身を置き、仕事も地域の人とのつながりも
大切にどれもひと以上にしたうえに、静かに心の内を自問自答しながら珠玉の言葉
で綴っている。
何度読んでもそのたびに新しい箇所が浮かび上がってきて、心に沁みる。
戦争、人生、仕事、友人、家族、どの文章にも著者の芯にある温かさが伝わって
本を手に取るたびに、自分も日本人の一人だと思い起こさせてくれる大切な本。
カバーデザインを安野光雅さん、発行は文芸春秋社で当時の発行人は半藤利一さん。