(日経コンピュータ 2006/10/02 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
その任務とは、顧客にとって価値があり、正しく動くソフトウェア製品を納品することです。戦闘員たちはその中で在りのままの姿を率直に語っています。
私は次のような言葉をよく耳にします。「われわれのプロジェクトは小規模で単純だから開発プロセスは必要ない」。読者もそのような気持ちになるかもしれませんが、結局はプロセスを使うことになります。たぶんそのプロセスは急ごしらえすることになるでしょう。何百人もの開発者を要する大規模なプロジェクトを実行する大企業にとって価値があるのは、明確に記述されたプロセスだけのように思ってしまう傾向がわれわれの業界にはあります。プロセスがそのように使われると開発者の活力をそぐだけです。
読者がこの本を読めば、小規模なプロジェクトに取り組む小さなグループのメンバーが、記述されたプロセスであるRUP を、目的に合わせて導入しカスタマイズする方法を理解することができます。彼らはこのプロセスの導入であまり形式ばったことは行っていません。RUP から自分たちの助けになる要素だけを選択し、PSP(Personal Software Process)、eXtreme Programming やその他のアジャイル方法論からの実践原則でRUP を補完しました。
「実際にはどのようにするのか事例で教えて下さい」も私がよく耳にする言葉です。成功したプロジェクトや、時には失敗したプロジェクトの事例は、新しいプロセスを導入する場合のキーポイントになることがよくあります。書籍や手間のかかるウェブサイトを利用して、理想的な進め方について何百ページもの記述を苦労して読むことはかなりの困難が伴います。理論に対して矛盾のない完璧な事例には説得力がありません。この本に価値があるとすれば、実際のプロジェクトで起こった真実、例えばプロジェクトでの失敗、誤りの発生、制限などを著者たちがそれらに対して何を行い、なぜそれがうまくいったのか、いかなかったのかを自ら批判の視点に立って読者に訴えているからです。
われわれは自分たちの経験や、他人の経験との対比により学ぶことができます。「ああ、そうか。その問題は認識しているし、経験したこともあるよ。そうか、このプロジェクトではこうやって対処したんだね。」この本ではRUP も含めて旧来のプロセスでは多くの場合取り上げなかった話題を扱っています。著者たちは大胆にも、開発を担う人間そのもの、チーム編成の力学、分散環境でのコミュニケーションやインターネットを基本にした協調開発ツールの使用など、今日の多くの小規模なオープンソースプロジェクトに不可欠な問題点にも進んで取り組んでいます。
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