平和を叫べば平和が維持できる訳でなく、核戦争を抑止してきたのが核兵器だった現実に多くの国民が気付きつつある現在、軍事の重要性を再認識することが出来る著作である。
また、日本の戦後の防衛政策の変遷を把握するのにも適している。それは行き当たりばったりの、政策と呼べるような代物ではなかったと言うことがよくわかる。いや、全てがそうだった訳ではない。例えば、吉田茂が引いた、軽武装・経済再建重視路線は正しかったのだが、経済再建を達成した後の道筋を示さなかったこともあり、GNP が世界第2位となっても路線変更ができず、防衛政策が成り行き任せになってしまうのである。私自身はこうなった責任が政府側だけでなく、社会党をはじめとする野党やマスコミ側にもあると思うのだが、それらの動きが本書であまり触れられていないのが残念である。