川本三郎は散歩、旅の達人である。今回は東京近郊の船橋、鶴見、大宮、本牧、我孫子、市川、小田原、銚子、川崎、横須賀、寿町、日出町、黄金町、千葉、岩槻、藤沢、鵠沼、厚木、秦野、三崎、の千葉、埼玉、神奈川県の町を一泊の小旅行する。例によって、氏の文学、映画での出会いを元に町を散歩し昭和の面影を追想する。旅の仕上げは町で偶然見つけた、あるいは、文学、映画で知ったその町の居酒屋、食堂でひっそりとビールを飲む。店主、地元の客と少し語らい、ほろ酔い加減で宿へ向かう。氏の文学、映画の博識、思い入れがあるからこそできる旅であるが、週末の1,2日利用して、お金をかけずに近郊の町を旅するヒントになると思う。尚、本作は雑誌「東京人」に連載されたものである。