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成長産業としての医療と介護―少子高齢化と財源難にどう取り組むか (シリーズ現代経済研究)
 
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成長産業としての医療と介護―少子高齢化と財源難にどう取り組むか (シリーズ現代経済研究) [単行本(ソフトカバー)]

鈴木 亘 , 八代 尚宏
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

技術力は十分あるのに世界水準から後れをとっている日本の医療・薬品産業。進む高齢社会の中、介護産業とともに有力な成長産業に躍進するには何をどう改善すればよいか。専門家がわかりやすく現状と展望を解説する。

内容(「BOOK」データベースより)

高齢社会で増えるサービスへの需要、優位性のある日本の科学・技術、新たな雇用を生み出す余地―好条件がそろっているにもかかわらず、なぜわが国の医療・介護産業は伸び悩んでいるのか?問題解決の糸口と今後の発展の可能性を多角的に考察。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 237ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2011/11/15)
  • ISBN-10: 4532134153
  • ISBN-13: 978-4532134150
  • 発売日: 2011/11/15
  • 商品の寸法: 21.6 x 15.1 x 2.7 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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By つくしん坊 トップ500レビュアー
かつての構造改革派は、今は、「新自由主義者」を自称しているようだ(八代尚宏『新自由主義の復権』)。編者の一人である八代尚宏氏はいわずと知れた、かつての小泉構造改革で、経済財政政策の立役者の一人だった。本書は、日本経済研究センターの研究企画から生まれた、新自由主義者たちによる医療産業論である。当然のことながら、医療や介護の(少なくとも一部の)自由競争強化が主張テーマである。TPP参加問題の議論が盛んになる以前にまとめられたのか、TPPに関する言及はない。出版時期がもう少し後になれば、医療の視点から、TPP参加応援の論陣を張ったのだろうか。

本書では、財源論、混合診療、高齢者医療、医薬品業界改革などについて、現在の非効率さとその効率化の議論が行われている。

新自由主義者の主張で致命的な欠陥があると思えるのは、複雑系である社会経済システムの一部を切り取り、その非効率さの解決のために市場化を行うべきだという論理そのものである。その際、取り出された一部の政策の市場化で生じうる副作用については、論じられることは全くない。構造改革の目玉政策として、彼らの論理により派遣労働の自由化が推し進められた結果、多くの派遣切りにつながり、社会保険料(国民健康保険や国民年金)も払えない多くの人々を生み出し、医療崩壊の後押しをしてきたことは周知の通りである。

新自由主義の本家アメリカでは、医療の市場化が極限まで進められた結果、国民一人当たりダントツに高い医療費と、多くの無保険者を含む凄まじい医療格差社会、先進国の中で最低レベルの平均寿命を生み出した。本書で、医療や介護の自由化を主張している論者達は、アメリカ医療の現状をどう分析し、どう評価するのだろうか?

日本の医療に多くの非効率さが含まれていることに、異論はあまりないだろう。しかしその改革のため、新自由主義のご託宣に従ったら、アメリカの二の舞になることは間違いない。医療のような複雑系の改革で最も大事なことは、歴史に学ぶことである。そのためにはイギリスなどの改革事例が参考になる。本書で唯一参考になるのは、オランダのプライマリケア制度(家庭医制度)である。この仕組みの導入には、新自由主義は不要である。政治的決断だけで、医療問題の相当部分(医師不足、医療費問題)が解決可能と思われる。
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