圧倒的に米国系が多い中、異色とも言えるスウェーデンの在日企業の過去100年にわたる、知られざる?日本での事業展開の涙ぐましい実録である。この企業が日本の横浜へ進出したのが、1907年(明治40年)!以来100年間、日本の産業発展、工業発展の担い手として、貢献してきた。こんな企業があること、こんな歴史があることすら、知らない日本人が多い。そんな会社ガデリウスの、対日進出とその後の事業展開を、うまくまとめている。一見社史のスタイルをとりながらも、単なる資料編纂に終わらない、生々しい人物像をフォーカスしている。むしろ、数少ない欧州系対日進出外資企業の、貴重な対日事業展開のケーススタディである。その焦点が、会社創業者クヌート・ガデリウス氏の対日事業観、経営観にあり、他の外資に見られぬ日本国への真摯な思い込みが、本書から滲み出てくる。『日本のために、日本人とともに』を会社のビジョンと掲げ、有言実行した(文字通りWalking the talk!)クヌートさんの生き様(ライフスタイル)が、われ等日本人読者の魂を揺さぶる。
在日100年を経て、今、この会社に見る外資企業の在日経営成功要因とは何なのか。その根底にある企業、いや経営DNAとは何なのか、本書は格好な教材である。更に、今後100年をどう見るか。どんな経営戦略、事業展開があるのか、今、同社は策を練り上げている。本書は、ここで終わっている。われ等日本人には、とても今後のさらなる発展と、日本への貢献が気になる、外資といえる。
と、同時に、これは言わずもがなだが、同社日本人社員全員がこれを読破し、創業者クヌート氏の創業ミッションを、今一度心新たにしかと受け止め、それを次世代社員へ伝承していく努力(Deep-Smarts)、リーダーシップ性こそ、最大の誇るべき’ガデリウスDNA’ーーではないか。