4年前に出た本で、ちょっと古いけど、システム統合については、日頃悩んでいたので、読んでみた。
内容はEA(エンタープライズ・アーキテクチャ)とかITガバナンスとかの概念を使って、いかに企業のシステム統合を成功させるかについての研究をまとめたもの。
金融機関の合併などみずほ銀行の大事故もあったように、民間企業では経営統合に伴うシステム統合は、企業活動の成否を握る大プロジェクトになるんだろう。
それは、自治体でも同じだ。
うちの自治体では、市町村合併などあったわけではないが、従来、ホストコンピュータで行っていた基幹系の業務処理をオープン化するプロジェクトが進んでいる。
従来のシステムがまるごとそのまま一つのシステムになればいいが、そのようなパッケージシステムは世の中に存在しないため、複数のパッケージシステム、しかも別ベンダのものを採用して移行することになった。
しかし、業務的には密接に関連するものが多く、特にデータの連携には、気が遠くなるぐらい大変だ。
そこで、考えたのは、システム統合的なアプローチ。できるかぎり、安全に、かつ低コストで移行するためには、やはりアーキテクチャの標準化や統制が必要となる。また、平行的に走る個々のプロジェクトを統括するようなプロジェクトマネジメントも必要だ。
この本では、システム統合におけるEA等の理論的な話から、金融機関や他の民間企業での実践例を紹介しているので、今までの自分たちがとってきたアプローチが間違っていないことの確認はできた。ただ、読んでいて反省させられる点も多い。
EAでは、ビジネスアーキテクチャの重要性が言われるが、うちの自治体は、そこのところが弱い。重要性については認識しているが、ビジョンであったり、理念であったり、プロジェクト全体の方向性を決めるものが、明確でないために、関係者間で共有できておらず、それが、プロジェクトに悪影響を及ぼしているところがある。
本来ならば、経営層が今回のプロジェクトの持つインパクトをきちんと理解し、単なるシステムの入れ替えだけという認識を改め、ビジネスチャンスととらえてくれればいいのだが...
この点については、私の方からのボトムアップでは解決しない。このまま行くと、危ないな。