首都圏への一極集中と人口減少の中で「地方発ビジネス」という言葉自体アンビバランスな響きを持つが、本書は地方活性化の工夫や知恵をきめ細かく具体的に紹介する。地域交通サービス、コンシェルジェサービス、地域ブランド等のポイント解説もあるが、実績や効果が数字で示されず事例紹介集の域を出ていない。内容もビジネスと言うより、地方の退行を食い止める独自の改善等に止まり、全体に物足りない。実際には平成の大合併を経て、各自治体は物理的に拡散した市域の経営に大童で、ビジネスの発信どころではない。我が富山でも森市長が「コンパクトシティ構想」を打ち出し、行政の効率化と高齢社会への対応を目的に周辺部から市中心部への人口移動を積極的に進めている段階で、「ビジネス」はこれからだ。企業の支店・営業所が消えていく「地方」で観光以外にビジネスは成立するのだろうか。私自身、呻吟している。