ITコンサルティングで30年のキャリアを持つ著者は、「要求のトリアージ」という考えを重視する。トリアージとは医学用語で、災害により大量の傷病人が出たとき、声の大きな軽症者に惑わされず、傷病人の容態や緊急性に従って優先順位を付ける標準手法のこと。システム開発でも、さばき切れない要求をやみくもに実装するのではなく、トリアージにより「ちょうど十分な要求」を選び出すことが必要だという。
本書では、要求を導き出すところから、仕様化するまでの間に役立つ実践的なテクニックを数多く紹介している。例えば、要求を取捨選択する際に行う「100ドル・テスト」。各ステークホルダーが100ドルずつ持っていると仮定し、それぞれが要求の重要度に応じてドルを配分。その合計額が多い順に優先順位を付けるというもの。ステークホルダー同士の“談合”がある場合への対処策も示すなど、著者の経験に裏打ちされた内容は示唆に富む。
(日経コンピュータ 2007/01/08 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
26 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
要求マネジメントの良書,
By KITTY (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 成功する要求仕様 失敗する要求仕様 (単行本(ソフトカバー))
本書は、要求の導き出しから仕様化、要求の変更管理までを網羅している。システム開発において、的確な要求を導き出すという永遠のテーマについて書かれた良書。 HowTo本と読み物としての二つの側面をもつ。 要求導き出しのテクニックなど、具体例をあげ解かり易く書かれているので、これから上流工程へ携わるビギナーの方にもお奨めできる。 また、訳本ではあるが、文章は平易で読みやすいのが大変良かった。(日本語訳、監修の方のご苦労が伺える仕上がりになっている) 本書では、要求の導き出しから仕様化の間に「要求のトリアージ」を行うことを推奨している。システム開発において、予算と納期、要求のバランスをとることは大変重要である。 この時点でボタンの掛け違いをすると、大抵の場合、納期遅延や予算超過などプロジェクトの失敗を招くことになる。 本書の第3章で取上げられている「要求のトリアージ」では、要求を選び出すための技術について触れられており、参考になった。
5つ星のうち 5.0
具体的な示唆に富んだ良書,
By
レビュー対象商品: 成功する要求仕様 失敗する要求仕様 (単行本(ソフトカバー))
要件定義で実現する機能について双方がコミットしても、設計段階以降で「仕様変更」が必ず発生する。このジレンマに、プロジェクトを遂行する都度悩まされている。 超上流工程から上流工程にかけてのやり方がまずいのかと思い、本書を手に取ってみたが、(この手の本で具体的な示唆に富んだ本に出会ったことがないので期待はしていなかったが、)非常に参考になる本であった。 文章が平易で簡潔であり、意訳がとてもわかりやすいというのが特徴である。 本書の中で紹介される「要求のトリアージ」を日々実践し、顧客との関係を悪化させずに、スケジュール調整・追加費用要求などを行えるようになった。 また、「仕様変更が発生するのは悪ではない、顧客が興味を持っている証拠だ」という言葉にも日々励まされている。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
|
|
|
|