ITコンサルティングで30年のキャリアを持つ著者は、「要求のトリアージ」という考えを重視する。トリアージとは医学用語で、災害により大量の傷病人が出たとき、声の大きな軽症者に惑わされず、傷病人の容態や緊急性に従って優先順位を付ける標準手法のこと。システム開発でも、さばき切れない要求をやみくもに実装するのではなく、トリアージにより「ちょうど十分な要求」を選び出すことが必要だという。
本書では、要求を導き出すところから、仕様化するまでの間に役立つ実践的なテクニックを数多く紹介している。例えば、要求を取捨選択する際に行う「100ドル・テスト」。各ステークホルダーが100ドルずつ持っていると仮定し、それぞれが要求の重要度に応じてドルを配分。その合計額が多い順に優先順位を付けるというもの。ステークホルダー同士の“談合”がある場合への対処策も示すなど、著者の経験に裏打ちされた内容は示唆に富む。
(日経コンピュータ 2007/01/08 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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