本書は、企業提携(アライアンス)の実務を理解しやすく整理した入門書です。
とくに、「コラム」と「まとめ」のコーナーに著者の優しい配慮を感じました。
本書は、企業提携の必要性と優位性の根拠が示されており、企業規模に関係
なく、成長戦略として、企業提携は21世紀のビジネスモデルになるでしょう。
サプライチェーン、プラットフォーム、ソーシャルネットワークなど、すべて
エコシステム(生態系)であり、日本人の得意とする社会関係資本です。
私も、企業提携をトップマネジメントレベルで経験し、レバレッジ効果の高い、
スピード・コスト・リスク・人材活用に優れた経営戦略だと実感しました。
また、企業提携の範囲は本書でも示しているように、トップマネジメントレベル
だけでなく、部門・事業レベルまで広く定義し、積極的に活用すべきでしょう。
しかし、著者も指摘している通り、企業提携で新ビジネスを成し遂げても、
そこに同時的なWin-Winの関係があるわけでないことを理解しておきたい。
そして、企業提携の進め方には、マニュアルはあるが「本来はビジネス環境
などに応じて変幻自在の対応をすべきもの」との指摘も納得するものでした。
最後に、私が直接被災した東日本大震災では、発生した問題の大きさから、
様々な局面において、単独の組織では手に負えず、多くの組織の協力関係を
戦略的に築くことの重要性を実感した。