ここでいう「成功」とは、単にビジネス上のことを指すのではなく、私生活を含めて、つまり単純な意味での「成功」を越えた大きな意味を含んでいます。
その意味を、主人公である若者と、引導役の老人との会話を中心とした、物語形式で描かれています。
たとえば、
・標的だけに過度に集中しすぎると、すべてが水泡に帰すこともありうる。これは私生活でも同じ。私生活には、人を完膚なきまでに叩きのめす能力がある。
・自分の根本的な価値観や信念を、仕事から切り離すことができる人間はいない。価値観や信念は、職場を含む、人生のあらゆる場面に姿を見せる。
・万が一に備えて、財政的余裕を残しておくこと。それに加えて、急に不足の事態が生じたときのために、私生活での時間的余裕も残しておくこと。私生活での余裕は大事な基本理念。
とあります。
つまり、すべてを投げうって、ノルマ等の目標を達成するために、ただ会社人間であればよいという考えを否定しています。
すなわち、「人」としての社会的存在価値をはっきりさせることの重要性が説かれています。
それ以外にも、リーダー論や、欲求に対する考え方、誠実であることの大切や、行動を起こすタイミングなど、参考になる考え方が満載の本でした。
確かに、邦訳の副題にある通り、「すべてはドラッカーの言葉から始まった」とあるように、ドラッカーの言葉を再認識できる内容にもなっています。
上述の通り会話形式なので、スッと頭に入りますし、ハードカバーなのに短時間で読み終えることもでき、非常に有益な本でした。