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戊辰戦争 (戦争の日本史 18)
 
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戊辰戦争 (戦争の日本史 18) [単行本]

保谷 徹
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

軍事革命を遂げた新政府軍の武力倒幕は戦争をどう変えたのか。鳥羽・伏見の戦いから箱館戦争までを辿り、戦争遂行のために動員されたヒト・モノ・カネの実態に迫る。戊辰戦争を軍事史的な観点から解明した初めての書。

レビュー

担当編集者より
戦争の帰趨を決め、近代の扉を開いたのは銃でした。火縄銃の射程が50~100メートルだったのに対し西洋から入ってきた施条銃(ライフル)は500~1000メートル、前者が火薬と弾丸を上を向けた銃口から込めていたのに、後者は金属薬莢の後装式で、弾を込める速さも違います。
皮肉にも最初は攘夷を唱えていた薩長側が、いち早く西洋の武器を取り入れていたのです。
しかし幕府が軍役動員した他藩では、旧来の身分的編成を守り、騎馬・長槍が主力でした。近代銃の導入によりそれらは無用の長物と化し、武士身分の存在意義は消滅しました。
第2次長州征伐に動員された加賀藩の武士は長州兵を見て、これまでにない新しい軍隊と驚きます。槍も旗印も騎馬もなく、雨のなかでも銃を撃ってきたからです。
鳥羽・伏見から東北戦争を経て箱館五稜郭まで、戦争の実態を明らかにします。

登録情報

  • 単行本: 306ページ
  • 出版社: 吉川弘文館 (2007/11/16)
  • ISBN-10: 4642063285
  • ISBN-13: 978-4642063289
  • 発売日: 2007/11/16
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 戊辰戦争という名の本を読むのは、本書冒頭でも紹
介されている原口清のもの(1963)以来です。原口のも
のは、いわゆる継起的な発展段階説でこの戦争を評価
したもので、当時のわたしには、とても新鮮に見えたも
のです。
 それに比して本書は、いかにも「戦争の日本史」の一
巻らしく坦々とした戦史であり、原口のもののような妙
味には欠けます。例えば、つい様々な思い入れをしてし
まう(最近の創作では、泡坂妻夫『飛奴』が秀逸)上野
戦争などは、2頁で終わってしまっています。しかし、次
のような結語は、坦々とした戦史の末のものだからこそ、
読者を考え込ませる重みがありました。
 
 戊辰戦争は結局のところ、大名軍役の動員基準とし
て施条鉄砲(ライフル)段階の洋式軍制を位置づけたと
ころに最大の意義があった。(中略)王政復古の名の
下に、新政府の軍事的ヘゲモニーを掌握した薩長の軍
事改革派は、この大変革を一気にやりおおせたのであ
る。

 他に、「戦争の社会史」たる「ヒト・モノ・カネ」の、とり
わけ兵器や軍事物資の輸送の実態の記述が、興味深
かったです。
このレビューは参考になりましたか?
26 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 夜華
形式:単行本
戊辰戦争を学術的に書かれた本としては、原口清氏や石井孝氏以来の本ではある。
通史以外の本だと、郷土愛が暴走しすぎた本か、新人物往来社系の恩讐史観が篭った本
しかないといっても言い過ぎではない。

通俗的な視点ではなく、今まで語られてこなかった戦争の銃器に関する話と、補給関連
に絡む諸外国との関係と、地元農民への負担などに言及している。
ミリタリーマニアにとっては、戦争そのものの戦術論や武士ファンにとっては武士道の
正義には一切触れていないのが不満かもしれない。その代りに、戦争がもたらした百姓
に対する付加(徴発、陣夫)や、戊辰戦争は近世戦国合戦の最後の形態である事を強調
している。

通読的な本の問題は、近世における戦国合戦で行われてきた「首実検」「陣取り」が行
われた事。武士層にとって略奪・虐殺当然視であるという事であり、新政府軍・旧幕府
軍双方に行われた事を注視している。

戊辰戦争を語る上で、「新政府軍による暴圧」だけに注視して、実は新政府・旧幕府に
限らず支配層(武士層)は一般庶民の生死は全て自分達の腹三寸でしかない事を書かな
い作家が殆どである。流石に郷土史家は武士層の暴圧を批判しているが、庶民の戦争被
害についても、自分達の都合のいい部分しか咀嚼しないのでは困ったもの。

戊辰戦争は軍事史の一端であり、それらを冷静に見つける史観に欠けると、カルト的に
なるのではないか?郷土愛のみ暴走した昨今の戊辰戦争本には、過去から未来への教訓
とした事例が見えてこない。会津の白虎隊の悲劇が、太平洋戦争のプロパガンダに利用
されたりした事をどう考えたのか?一部の歴史家の自己批判のみしか聞こえてこないと
いうのは、戊辰戦争から教訓を得ることは諦めざるおけないのであろうか。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By それから トップ1000レビュアー
形式:単行本
幕末期から戊辰戦争までを舞台とした研究書や小説の類は多い。本書は戊辰戦争の直接的な原因となった長州戦争から始めて戊辰戦争の終わりとなる函館戦争までを軍事を軸に据えて記載している。戊辰戦争には色々な側面があるが、政治的な動きには深入りせず、軍事面に絞った記述は新鮮である。

戦国期には火縄銃が伝来し、天下統一を一気に進める原動力となった。それから300年、19世紀半ば頃には欧米では急速な火器革命が進展し、小火器は前装施条銃を経て後装施条銃に切り替わった。この時期が戊辰戦争の直前にあたり、戊辰戦争期には多種多様な新式銃が輸入されて戦われたことになる。射程距離の長い施条銃は軍の編成や戦闘方式も一変させてしまう。また遠征軍の戦いとなる戊辰戦争では、特に戦争遂行のためにヒト・モノ・カネの問題が重要である。これは本書の重要なテーマである。

戊辰戦争では参戦した各藩は速やかに新式銃を代表とする軍事革命を行った。これが出来たのは、江戸時代を経て確立された良い意味での封建制度の遺産ではないかと思う。
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