糖尿病患者が740万人、予備軍880万人を含めると1620万人いる国民病の糖尿病。(専門医は3095名と少ない。2005年11月現在)これは生活習慣ではなく「快適習慣」だから脱却出来ない由。著者は東京医科歯科大を卒業し、殆どを三楽病院にて勤務し、そこでの印象深い患者を多く紹介する。現在は三楽病院副院長、附属の生活習慣病クリニックの院長だ。この附属は糖尿病等専門で、本書ではちゃっかりその宣伝も兼ねているようである。本書は患者と著者の会話を纏めたもので生々しい。登場する患者はどうしようもなく意志薄弱、能天気であり、行きつく先は多くが合併症だ。脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、失明(糖尿病性網膜症)、壊疽(糖尿病性神経障害)、糖尿病性腎症、ガン等々だ。例えばある人はビールにウイスキー、その飲み方も数日でボトル1本空けるペース。アルコール性肝障害になっている。ある人は1日2700kcalの食事に、塩分15gの摂取を続ける。ある人は、自分は食べないと心に決め、家族の為にロールケーキを1本買ってくるが、結局はその日の内に自分で1本食べてしまう。これらの実例は馬鹿としか言いようのない患者達ばかりだ。医師というのはそれを相手に辛い仕事だ。健康保険組合の財政状態は破綻するのは当たり前だ。生活習慣を改善しない、出来ない、する気もない不良患者には勘弁して欲しい。一般的に生活習慣病候補者の好物は天麩羅、フライ物、カツ、カレーで食べ過ぎと言われる。揚げる、炒めるが大好き。そして食事と運動では血糖値が下がらず。経口糖尿病薬治療に入る。しかし血糖コントロールが不芳。最後にインスリン注射だ。周囲にやたらよく喰う人を見かけたら、本書や他の類書を1冊読んでみたらと話してあげよう。尚、本書内随所に「コラム」で参考情報が満載だが、学会発表のような難し過ぎで、本文とのギャップに唖然とする。