<ガイドライン>1932年生まれ。かなりのおじいいさまなわけだ。でもきちんとジャズしている。ジャズなんかは年輪が加齢されないと出ないものが確実に存在する。このひとはそれを出せるピアニスト。なんだかモーズアリソン。要するにマイペースなんだな。
地位や名声/スターダムにのるのがジャズの目的ではない。家族を大切にして地味にホテルのラウンジだけで引き語りをやるのもジャズ。出世欲や野望があんまりないのだと思うね。そういう人柄が音に出ていますね。
<聞きところ>企画盤ということで、有名な曲がてんこもり。そうそうジャズピアノをならっているひとなんかにはすばらしい教科書になりそうです。磨き抜かれた職人芸がここにあり、ジャズは一生かけても解きあかせない深いもの。というのがひしひしと伝わる。
演奏はほんとに無駄がない=これはかなり難しいこと。普通だとエゴが出て余計なパッセージを鍵盤で叩いてしまうのだ。
ずばりそれがない。余計なぜい肉をそぎおとしてそぎおとした絶妙なさじ加減がここにある。マイルスなきあとはスターが不在でありジャズジャーナリズムは混迷している。
意外なスターと言うのはこのひととかモーズアリソンなのだ。地味に継続しているほうがやはり強いのだ。ノラジョーンズは消えるかもしれないけどこの人は消えないと思うね。
仲間のミュージシャンからリスペクトされているやつが一番強いのだ。たとえそいつが売れていなくて商業的に苦戦しててもな。このひとはずばりそういうひと。10点中10点。
うもれているジャズピアニストってけっこー多い。このひとはまさに典型。晩年に傑作を連発しているんだから、やはり音楽ってのはわからない。単に技術上うまい演奏と『磨きあげられた演奏は違う』これは明らかに後者だ。