まずは「国の最高法規」である憲法が政府の施策のみならず、国民個人の政治的アイデンティティーを規定し、その国の文化にまで深い影響を与えていることを種々の学説や西欧の実例で示す。結果、日本国憲法の条文は主権在民の原則に立つ我が国の政府に対する「命令」であり、命令を下された側が足かせと感じるのは当然のことだと言う。「この憲法は米国から押しつけられたもので国民の総意ではない」という改憲派の常套句については、戦勝国の米国自身ですら制御できない権限を日本国民に与えたことを、米国が最も悔やんでいると反論する。
こうした立ち位置から第9条と安全保障条約、言論の自由、人権条項、政教分離の原則などをテーマに、現憲法の価値について考察を加えていく。
(日経ビジネス 2006/11/27 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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44 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
至極真っ当な本です,
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レビュー対象商品: 憲法は、政府に対する命令である。 (単行本)
最近、やれ「憲法改正」だ。愛国心だ。等とほざく輩が多い世の中。未だに日本国憲法が「押しつけられた」と曲解するする人間が多いこと。この本ではこういう妄想を一掃してくれる本です。憲法にもうたわれているとおり、憲法は政府に対する押しつけであることは至極真っ当なことなのに政治家はそれを理解できない。本書は外国人が見たそう言う現状を細かな考察を行っています。如何に「憲法改正」が虚妄なことかが読み取れるはずです。
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
9条と安保,
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レビュー対象商品: 憲法は、政府に対する命令である。 (単行本)
著者は、日本国憲法が、「押しつけなのか、押しつけではないのか」という二項対立的な議論に異議を唱える。「押しつけ憲法で何が悪いのか」と。問題は押しつけ憲法かどうかなのではなく、誰が誰に何を押しつけたのか、ということである。二項対立的な議論が看過しているのは、日本国憲法が日本政府(国家)に押しつけられたものであり、その実質は、護憲運動の不断の闘いによって与えられてきたということ。同時に著者は、「平和憲法は沖縄には一度も来たことがない」という。護憲運動は、「日米政府が構築した構造(=安保体制)のなかで活動しなければならない」というカラクリの裡にある。だから結果として護憲運動が、米軍基地を日本(主に沖縄)に置く根拠を強める、という効果をもたらしてきたことを、著者は指摘する。つまり、「護憲運動は(ある程度)成功してきたが、反安保運動はまったく成功していない」のだ。この関係を見ようとしない平和主義者の態度が偽善的であることを著者は強調する。こうした偽善を平和的な方向で解消するうえで、九条擁護が突出し、安保問題が後景に斥けられるような平和運動の現状のあり方に、著者は強い警鐘を打ち鳴らしている。
13 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
自分の頭で考えた憲法思索集,
By 清高 (仙台市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 憲法は、政府に対する命令である。 (単行本)
この本の長所
自分の頭で考えた(憲法学の代表的見解から自由な)思索であること。それでいて、西洋思想をベースとして穏当でわかりやすい見解を出せているところ。 この本の短所 1、なぜ、『広辞苑』を引くのだろう。法律学辞典を引いて議論すべき。 2、代表的見解(たとえば、芦部信喜『憲法』)とはちょっと違った観点から説明されているので、憲法の代表的見解を知りたければ、上記の本などを参照したほうがいい。 結論―長所星5つ、短所で星1つ減らして、星4つ。
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