登録情報
|
本書は、常識的な論理展開で論じており、とても分かりやすいです。タイトルに「常識」を2つも入れたのは、やややりすぎな感はありますが。
内容としては、日ごろマスメディアをにぎわすトピックについて、憲法成立後60年近くの現実と学説、判例、各国の憲法や国際法を挙げつつ、論じています。
取り上げているのは、天皇制、女性天皇論、9条、政教分離(靖国参拝)、公共の福祉と基本的人権の対立問題、外国人参政権、現憲法の成立過程と正当性、そして憲法改正論です。
新書という限定的な紙面において論じるにはあまりにトピックが多い、という批判はありえると思います。が、詳細な学説や判例の比較検討は、専門家やマスメディアの担うべきものとも言えます(とはいえ、本書でも、宮沢俊義氏や芦部信喜氏の学説が検討されていますし、判例についても示しているので、そういった手続きを省いているとは言えません。分量が少ない、という批判はありえる、というくらいです)。
一般向けに、分かりやすく、近年の憲法の争点を示したという意味で、非常によい本だと思います。著者の出す結論について同意するかどうかはともかく、この点は間違いが無いと思います。
大学の教養課程で憲法を学んだばかりの大学生をはじめ、昨今の憲法改正法の検討を見て問題意識を持った一般の方など、多くの方に読んで欲しい本です。お勧めします。
ただ、この本を教科書として使うのは無理がないだろうか・・・
|
|
|