浅田次郎原作で降旗組、かつ木村大作のカメラとくれば、よほどのことがない限り失敗はない。おまけに東映京都を主たるスタジオとしていることで、メイキングで夏木マリが言う「久しぶりの映画」という感触も一杯だ。人の世の儚さと可笑しさ、そして人生の意味をこれだけ描いた作品は本当に久しぶりだと思う。妻夫木も「貧乏神」「厄病神」「死神」に憑かれる役どころを、面白可笑しく、楽しそうに演じていたのが印象的だった。「神」を演じた西田敏行、赤井英和、森迫永依の3人も抜群で、特に森迫は9歳にしてあどけなさと怖さを見事に表現しており、代表作の1本を作ったのではないか。他にいつでも素晴らしい香川照之、佐藤隆太、江口洋介、鈴木砂羽、佐々木蔵之介らの出演も楽しく、時間も忘れてあっという間に観れてしまう。記者発表を能楽堂で行ったメイキングもイカしている。お囃子と共に、和服で出演者、スタッフが登場するのだが、非常に心地いい感じだった。何度も言うが、これだけ「和風」なシャシンは久しぶりだ。現場にモニターがなく、役者も「どの演技がOKだったのか」分からない風景というのは、まさに「古き良き」日本映画の撮り方だと思う。自分は懐古主義者ではないが、こういうシャシンは好きである。星5つ。