「三囲稲荷」の分社と思い、「三巡神社」にお参りしたのが運の尽き、貧乏神、疫病神、死神に取り憑かれてしまう御徒士の男を、ユーモラスなタッチで描いてゆきます。
時は、徳川慶喜の大政奉還の時期です。世の中の急激な変化の中、御徒士の役どころも変質し、何をなさねばならぬかが解らなくなっています。価値観の大きな変化、周りの変化について行けず、右往左往する様が、貧乏神、疫病神、死神との対応と共に、面白可笑しく描かれます。そうした中で、主人公は自分だけが健常者と感じています。
見事なラストから考えて、作者の意図は、何のために人は生きるのか?と問いかけているように思えます。幸せとは?生きるとは?ユーモラスな語り口の中で、しっかりと問いかけているようです。