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慢性拳闘症
 
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慢性拳闘症 [単行本(ソフトカバー)]

香川 照之
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

名作に賭けた男たちのボクシングと映画道!名作漫画『あしたのジョー』の撮影現場で、“リアル拳キチ”香川照之がジョーこと山P、力石こと伊勢谷友介らを追い詰め、極限の姿を引き出すまでの悲喜こもごも

内容(「BOOK」データベースより)

無類のボクシングマニア、実写版「あしたのジョー」で丹下段平を演じた香川照之のボクシングエッセイ。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 210ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/2/4)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062167565
  • ISBN-13: 978-4062167567
  • 発売日: 2011/2/4
  • 商品の寸法: 18.8 x 13 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ひなぎく トップ1000レビュアー
Amazonが確認した購入
 香川照之さんといえば、その卓越した演技力には定評があり、氏が出演しているというだけでその作品に興味惹かれる役者さんです。この本は、30年来の熱烈なボクシングマニアで、日本人が持っているボクシングのイメージ=根性を嫌悪していた氏が何故、ボクシング漫画の金字塔ともいえるいまや伝説ともいっても過言ではないであろうコミックの映画化「あしたのジョー」の出演を、冒頭大河ドラマ「龍馬伝」の主役福山雅治さんに初対面で香川さん自身が知らされるという意外ともいえる文章から始まります。

 わたしはボクシングには詳しくないのですが、香川さんいわくボクシングは根性とは無縁のスポーツで英語圏では「スゥイート・サイエンス(甘美な科学)」とも呼ばれ、海外のボクサーは、自分がもう不利だと思ったら、さっさと負けを認め、次の試合へ向けてトレーニングするものだそうです。自問自答しながらも、丹下段平の役作りに夢中になっていき、また、伊勢谷さんや山下さんの身体つきを見ただけで、ボクサーに向いているかどうか判団出来るほどのボクシングマニアぶりには驚かされました。

 そして、肉体改造で話題になった山下さんと伊勢谷さんですが、香川さんもトレーナーという役柄腕を鍛え加えてあの丹下段平そっくりの特殊メイクに香川さんの演技力が加わりそれは最強のものとなり、ボクシングマニア歴30年の実績で、映画「あしたのジョー」に出演したことで、オフを返上してアドバイサーとして現場に来て、伊勢谷さんや山下さんにリアルなボクシングスタイルをアドバイスする、映画は監督のものとよく言われますが、この映画では、香川さんの果たした功績はとても大きかったと思います。

 映画「あしたのジョー」のファンだけでなく、ボクシングが好きな方が読んでも、ボクシングマニア30年歴足しげく「後楽園ホール」へとボクシングの試合を観に行き、ボクシングの試合のビデオを繰りかえし観て選手のフォームを研究し、専門誌を読み漁ったという、香川さんのボクシングへの情熱が伝わってくる、久しぶりに読んで心が熱くなった名著でした。 

 また映画「劔岳 点の記」出演した際の過酷な撮影中に、木村大作監督に言われた「山を登っている時は苦しいが、下りる時はどうだ、楽だろう、登りに比べたら少しは楽だろう。そこだ!それなんだ!人生なあ、楽な時は落ちている時なんだ!今は楽だなあって思ったら、それはもう人生落っこちている時だ!いいかあ!逆に苦しい時はな、昇っている時なんだ!!苦しいと思っている時こそ、人生上ってるんだ!」に感銘を受けた香川さんは「苦しみに耐えられないのは、それが苦しくて自分が落ちていると錯覚しているからなのだ。でも、それが人間が成長している瞬間と知っているのなら…。そうか我々は今、段々上っている、だから苦しいんだ。一歩を出す、次の一歩を歩いてみる、楽になった…。捧げる事である。どんな時も自己犠牲をしていく事である。苦しい方を選ぶ事である。嫌だと瞬時に感じた方を選択すべきである。つまりは『今日』を気が狂ったように頑張るしかないのである。痛くても。辛くても。空腹でも。ひもじくても。孤独でも。1人でも。その証拠に山下智久は、そして伊勢谷友介はそれを実践し、何ものにも代えがたい『あした』を手に入れてきた」この文章にもとても励まされました。
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18 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
異端の修行者 2011/2/13
もともと著者の文章のファンでもありますが、ご本人の愛してやまないボクシング映画の話となれば、これはもう面白くないわけがない。
いつもながらの緻密な描写、センテンスの長い文にもかかわらず独特の疾走感、言語感覚のもたらす表現力ゆえのライブ感。
とにかくこちらまで熱病に感染したかのごとく、夢中になって読んでしまいました。
ボクシングにはそれほど興味があったわけではなく、ほとんど無知な私ですが、それもいつものごとく、独特の描写であっという間に引き込まれてしまいます。
ただ「頭のいい人が書く文章」でもなく、時にマゾヒステックに自身をこき下ろし、情熱と試練にひたすら身を投じる姿は、まるで異端の修行僧か殉教者のよう。でもどこか破戒僧のようでもあり。そこが面白さでしょう。
「哲学」や「思想」をやすやすと引き出すわけでもなく、そうそう簡単に答えを与えるわけではありません。
むしろ万人の持つ「情熱」や「挺身」、「トラウマ」に立ち返らせているようで、考えさせられました。
筆者の演技には、どんな悪役であっても、いつも何かそういったものを考えさせられてしまうのですが、書くものもやはりさもありなん。
映画という「大人のお遊びごっこ」の中にいて、捨て身であるように見えつつも、どこか冷静に物事を詳細に観察し、理論的に語る。
おなかいっぱいです。
でもまだまだ読みたくなる、おかわりしたくなる一冊。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ザ・テロル トップ1000レビュアー
              「今度、丹下段平やるんですよね?」

 NHK大河ドラマ『龍馬伝』の撮影中に主役の福山雅治から香川に発した一言から幕を開ける本書は、映画『あしたのジョー』(2011・2・11公開、監督:曽利文彦、主演:山下智久)において主役の矢吹丈(演:山下智久)の師匠である丹下段平を演じる香川氏の視点から描かれた本作における舞台裏が語られた内容となっている。

 オフィシャルガイドブック雑誌の特集記事などで撮影の舞台裏をライターによって紹介された内容は何度も見られたが、本作品の主役以外の一出演者が公開作品の舞台裏の全てを語る事自体極めて稀なケースであるが、本書ではキャスティングを受けてからクランクイン〜クランプアップまでの日々を香川氏自ら語る本当の意味での撮影秘話が満載であり、また冒頭にも述べたように香川氏の語り口が面白く、本作品に関心の薄い方にも大変楽しめる内容となっている。

 私自身、ジョーの大ファンであり、今回の実写映画化に驚いたが、丹下段平役を香川氏に配役された事に「ジャニーズ・ジョーと東大出の丹下段平では(原作の)イメージが合わないな」と思っていたが香川氏が30年以上に渡る大のボクシングファンで精通しており、今でも頭の中では芝居よりもボクシングの事が占めているという(香川氏曰く、一日15時間以上はボクシングの事ばかり考えている)事を知り、まさに香川氏こそ“拳キチ段平”に相応しいと思った。

 事実撮影中もボクシングトレーナー兼監修である梅津正彦氏(過去に北野武監督作品『キッズ・リターン』を担当しており、本作では力石のトレーナー役で出演)と現場では二人にしか分からない専門用語の応酬や出番のない休日にも撮影所に現われてボクシング指導を行ない、時には監督を差し置いてボクシングシーンのリテイクを要求するなど自身の領分を越えての熱の入れように圧倒されるばかりである。

 ただ、本書の中で告白している通り、当時ボクシングには心酔していてもジョーに傾倒していたワケではなかった(理由は本書にある) 香川氏だが、後年原作を読み直して『あしたのジョー』という作品が放つメッセージの素晴らしさを再認識して今回の出演に一人だけ原作に近いリアル段平の風貌に見ている私も「この作品、大丈夫か?」と思ったが香川氏の演技に魅入られているうちに違和感がなくなり、原作にもある“あした”を語る段平のせりふには正直感動しました。
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