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慟哭 小説・林郁夫裁判 (講談社文庫)
 
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慟哭 小説・林郁夫裁判 (講談社文庫) [文庫]

佐木 隆三
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容説明

日本を震撼させたオウム真理教の闇を暴く!オウム「治療省大臣」にして地下鉄サリン事件の実行犯・林郁夫。その慟哭の法廷から、未曾有の無差別殺人事件の真相に迫る、渾身のノンフィクション・ノベル。

内容(「BOOK」データベースより)

「私がサリンをまきました」オウム真理教の大幹部「治療省大臣」にして地下鉄サリン事件の実行犯・林郁夫。その告白と慟哭の法廷から、未曾有の無差別殺人事件の全体像が浮かび上がった。文庫化にあたり、書下ろし「その後のオウム裁判」も収録した、オウムの真相を暴く渾身のノンフィクション・ノベル。

登録情報

  • 文庫: 400ページ
  • 出版社: 講談社 (2008/8/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062760436
  • ISBN-13: 978-4062760430
  • 発売日: 2008/8/12
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 419,671位 (本のベストセラーを見る)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 佐木隆三の傍聴記なのだが、著者はあまり前面に出てこなくて、林郁夫から直接話しかけられているような、そんな感じのする作品である。裁判では、林が慟哭する場面も実際にあったようだが、そんなシーンの描写とは関わりなく、彼の選ぶ言葉そのもの、彼の紡ぐ悔悟の情理、彼が明らかにする犯行の情景それ自体が、心の奥底から絞り出されたものであると感じた。それはまさに慟哭と呼ぶにふさわしいものだ。

 林の手記による『オウムと私』を、出版された頃(7年前)読んだが、そこでの林は、純粋な真理なるものがこの世に存在し、オウムにそれがあると一度は信じたのものの、浅はかな間違いであると気づいた。しかし、まだどこか別のところにその真理があると信じていて、それを探し続けている脆さがあるように私は感じた。その得体の知れない頑迷さに恐怖したものだ。だが、この本での林は(佐木の目を通したものでもあるのだが)、世界の混濁をそのまま受け入れる図太さ、と言って悪ければ成熟を、身につけているように思った。

 私自身は、林を殺人鬼だと思っている。死刑でもおかしくない罪を犯したと。だから彼に同情する気持ちはまったく起きない。だが読んでいて、彼の心情に入り込み、いつの間にか涙が出ていたのは事実だ。それは慟哭なんかではなかったと書きおくけれど。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By svn32
形式:単行本
 「オウムと私」(林郁夫著)も読みましたが、この本は、実に人間としての、「林郁夫」に迫っていると思います。
 
 つかまってからの、心理的葛藤。そして、すべてを打ち明けた後、ただうろたえる被告人。ここには「本当に世界を救いたい」と思った人間の末路が見えます。

 もしかしたら、林郁夫は、自分の苦悩をすべて打ち明けることで、逆にイエスキリストが感じたような、「受難」を受け入れているのだろうか?

 もしそうだったら、彼の告白は「自己の魂の救済」に他ならないような気がしながら、この本を一気に読みました。

 すべてを捨てて、オウムに入り、すべてを捨てて、社会的征伐を受けること自体に、彼はどのように感じているのでしょうか?

 もしかしたら、最高の「法悦」に浸っているのではないかと、思わず下種の勘繰りをしてしまいました。

このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:単行本
この本を読むまで、地下鉄サリン事件の本当の意味での真相(なぜ事件が起こったのか、なぜ事件が解明されたのか、その後の裁判はどうなっているのか)について知らなかった。未曾有の大量殺人事件であるにもかかわらず、いかに自分の関心が低かったかということを認識させられた。このような事件を二度と起こさないためにもこの事件を風化させてはならないと思う。その意味でこの本は読む価値に値する。しかし林郁夫というほんとにまともで分別のある人が、大量殺人の実行犯になってしまうという、人間の心の危うさ、怖さにはゾッとさせられる。
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