修道院付属の病院で療養する少女たちの話。全部で9章あり、それぞれが独立した短編のように読める。病院を訪ねてくる慈善家や家族たちのようす、病棟での宗教的行事や少女たちの日常生活が描かれる。また少女たちが病院に来るまでの悲惨な事情が、それぞれの回想として語られる。
21世紀の今読んでも衝撃を受けるような、少女たちの性との悲劇的な出会いがさまざまな変奏をもって描かれる。解説によると、1904年の発表当時はポルノとして非難されたこともあったらしい。しかし作者ツァンカルは、子供たちがこのような苦しみを受けないような社会を願って、そのような目をつぶりたくなる側面を描いているのだ。
とはいっても、少女たちは単に無垢な犠牲者として描かれているわけではけっしてない。ときには辛辣な皮肉屋であったり、ときには残酷であったり、ときには死をめぐる「禁じられた遊び」に興じたりする。しかし他方でまた、さりげないやさしさも示す。とても生き生きとした存在だ。
忘れてならないのは、彼女たちを看護するセシリア修道女だ。ほとんど言葉を発するわけではないが、強い印象を残す。何もかも見ているそのまなざしは、やはり天使のまなざしだ。
外の世界も病院の中も悲惨きわまるのに、静かであたたかな余韻が残るのは、美しい挿絵と美しい描写のせいだろう。クリスマスの日の情景はうっとりするほどだ。そして最後の章――、不意に感動が訪れる。
よりよい社会への強烈な願いと人間への真摯なまなざしに満ちた文学を読みたいすべての人に勧める。