『感情地図』は、心の不調が体のどこに現れるか?という本です。
前半は心の不調が体の不調につながることを説得する内容になっています。また翻訳が少々読みづらく、文章は翻訳調なので必要以上に堅苦しく感じます。原題は『Healing happens with your help』で”癒しは自分の力で起る”が直訳なので、こちらのほうが主旨をよく言い表しています。
一定の社会的評価を経て外国では保険適用になっているところもあるリフレクソロジーは、体の不調が足の裏の特定部位に現れるといわれていますし(例えば第2指の付け根は目…など…。でもよく見ると足裏を上から頭から坐骨までの相似形になっているだけなのです)、 ヨガなどしていると「不満は太ももに溜まる」などというセリフを聞いたりします。
しかし、この『感情地図』の地図は、臨床データに基づいているわけでなく、基本的に”著者の25年にわたる経験”で説得されています。そこが弱い点です。
うーん、25年って長いですかね・・・?
ヨガなんて紀元前からある健康法なので、経験で、特定の感情(例えば怒り)と特定の体の一部(例えば心臓)が関係ある、と結論するには、データ収集期間が短いような気がするのです。臨床データがないのは弱点です。
だからと言って「病は気から」というこちらは人類の知恵とも言うべき言葉を否定する根拠にもなりません。
そこで別の本『内なる治癒力』など別の精神免疫学の本とあわせて読むことをオススメします。確かに「病は気から」を科学的に根拠付ける本なら何でもOKと思います。
データや論文が引用されていてしっかり調べられている本が良いでしょう。
心が身体の具合に影響しているのは、まったく疑う必要のないことでしょう。ストレスが
病気を悪化させるのは常識です。
しかし、だからといって愚痴が左の腎臓に悪影響を与えるか・・・?愚痴ばっかり言っていると確かに色々な病気にかかりやすくかかった病気からは治りにくくなりそうですが、短絡的に愚痴→腎臓、と流れるのはいかがなものかと思います。そこのところは学会誌などで今後色々な研究が進むことを期待するしかないようです。
こうした本というかテーマは、どこまで主張に根拠があるか?その線引きが難しいところです。
しかし、ひとつの知識として 感情地図を頭にいれておけば、何がしか関連性が見つかって役に立つかもしれません。
ヨガでも前屈ができないのは、関節の硬さではなく内臓の不調によるといったりします。
ココが痛いといえば薬の飲み、あそこがおかしいと思えば治療を受ける、ありもしない完璧な健康を望んで胃潰瘍を自分で作ってしまうような思考回路や対症療法的な堂々巡りをやめ、自分で自分の健康を守る意識を持って、前向きに生きていこうと思えれば、結果オーライな本であると思います。