女性誌のイラストのような絵を使った淡色系の表紙を見て,書店の「自己啓発」のコーナーに並んでいる本のような印象を持ってしまった。「〜であなたもすぐに幸せになる」とか「〜すればすべて願いがかなう」式の,よく言えば肩の凝らない,悪く言えば安直な本かなと思った。(そういう本の意義を認めないわけではないが,わたしはあまり買わない。)
ところが,読んでみると内容はけっこう硬派。感情の四仮説など感情心理学の基礎的な考え方にも触れているし,感情の表出についてもエクマンの研究をしっかり押さえている。一方では,臨床家の著者らしく「読む認知療法」としての機能も持たせようとしているようだ。しっかりと裏付けられた研究によって感情について認知的に理解すること。それが感情をコントロールする第一歩なのかもしれない。体験的にもその効果は頷けるところだ。
「かわいい」外見と「固い」中身。評価は分かれるかもしれないが,わたしは買ってよかった(いい方に裏切られた)と思いました。