十文字美信氏の20歳から60歳までの作品がテーマごとにまとめられた500ページ超の大冊。この充実度でこの価格は絶対に“買い”だと思います。
巻頭の「藤崎」を見た瞬間から、頭にガツンと強烈な一撃を喰らったかのようでした。写真から迸る“生”の咆哮、圧倒的なスピード感と存在感に気圧されました。「カッコイイ」と憧れると同時に「この人には敵わねえ」とコテンパンに叩き伏せられたような、そんな衝撃でした。
ページを繰るごとに不思議な感覚に襲われます。どぎまぎ感とか、ざわざわとした不安感とか、危険に誘惑されたい願望とか、匂い立つセクシャリティとか・・。激しく引き込まれる写真集です。
巻末の書き下ろし「見えないものについて」も圧巻です。掲載された写真を撮っていたときに考えていたことや感じていたことなどが、テーマごとに記されています。文章から立ち上る、人としての正しさ・真面目さ・真っ直ぐさ・真剣さには、純粋に胸を熱くさせられます。