私が辻井君のショパン協奏曲第1番を全曲初めて聞いたのは、ヴァン・クライバーンのウェブサイトでした。コンクールのドキュメンタリーでも、審査員の方が「甘美で優しく、心揺さぶる誠実さで弾いている。涙を抑える事が出来ず、部屋の外に出た。」と絶賛されていましたが、私も涙が止まらず最後まで感動しどうしでした。この曲は、ショパンが故郷ポーランドを発つ時に、自分で演奏したと伝えられていますが、彼の演奏を聴いていると、ショパンの切ない思いや故郷への心残りが伝わってくるように感じられます。フォートワース管弦楽団も辻井君の演奏に呼応して、一体となって盛り上がって行く演奏は、コンクールというよりコンサートのようですばらしいと思います。また曲の終わりに聴衆の拍手と歓声が入っているので、コンクール会場にいるような臨場感もあり、自分も観客の一人になったような気分も味わえます。