◎人は、生まれるとすぐに母親に抱きつき、つかまろうとする。子どもが成長するうえで、母が子を抱っこすることは、乳を与えることと同じくらい重要なのである。いくら栄養を与えても、抱っこが不足すれば、子どもはうまく育たない。
抱っこをし、体を接触させることは、子どもの安心の原点であり、愛着もそこから育っていく。抱っこをすることで、子どもから母親に対する愛着が生まれるだけでなく、母親から子どもに対する愛着も強化されていく。何らかの理由で、あまり抱っこをしなかった母親は、子どもに対する愛着が不安定になりやすく、子どもを見捨ててしまうという危険が高くなることが知られている。
【目次】
第一章 愛着障害と愛着障害スタイル
あなたの行動を支配する愛着スタイル/抱っこからすべては始まる/子どもの四つの愛着パターン/良い子だったオバマ/愛着障害と不安定型愛着/三分の一が不安定型愛着を示す
第二章 愛着障害が生まれる要因と背景
増加する愛着障害/養育環境の関与が大きい/親の愛着スタイルが子どもに伝達される/母親のうつや病気も影響する/一部は遺伝的要因も関与
第三章 愛着障害の特性と病理
親と確執を抱えるか、過度に従順になりやすい/ストレスに脆く、うつや心身症になりやすい/意地っ張りで、こだわりやすい/発達障害と診断されることも少なくない/依存しやすく過食や万引きも/虚言癖がある/性的な問題を抱えやすい/親代わりの異性と、ずっと年下の異性/誇大自己と大きな願望
第四章 愛着スタイルを見分ける
ストレスが溜まったとき、人を求めますか?/つらい体験をよく思い出しますか?/愛する人のために犠牲になれますか?/健康管理に気を配る方ですか?
第五章 愛着スタイルと対人関係、仕事、愛情
1.安定型愛着スタイル
2.回避型愛着スタイル
3.不安型愛着スタイル
4.恐れ・回避型愛着スタイル
第六章 愛着障害の克服・
1.なぜ従来型の治療は効果がないのか
2.いかに克服していくか
★愛着スタイル診断テスト
【著者プロフィール】
◎岡田 尊司(おかだ たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退・京都大学医学部卒、同大学院高次脳科学講座神経生物学教室、脳病態生理学講座精神医学教室にて研究に従事。現在、京都医療少年院勤務。医学博士。山形大学客員教授。著書に『シック・マザー』(筑摩選書)、『アスペルガー症候群』『境界性パーソナリティ障害』(以上、幻冬舎新書)、『パーソナリティ障害』『統合失調症』『子どもの「心の病」を知る』(以上、PHP新書)など多数。小笠原慧のペンネームで小説家としても活動し、『DZ』『手のひらの蝶』『風の音が聞こえませんか』(以上、角川文庫)、『サバイバー・ミッション』(文春文庫)などの作品がある。
■積極的に新しいことをしたり、新しい場所に出かけたり、新しい人に会ったりする方ですか。
■もし困ったことがあっても、どうにかなると楽観的に考える方ですか。
■人を責めたり、攻撃的になりやすいところがありますか。
■あなたの親(養育者)に対して、とても感謝していますか。
■自分にはあまり取り柄がないと思うことがありますか。
■自分に自信がある方ですか。
■人付き合いより、自分の世界が大切ですか。
■幼いころのことをよく覚えている方ですか。
■あなたにとって、仕事や学業と、恋愛や対人関係のどちらが重要ですか。
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最も参考になったカスタマーレビュー
22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「シックマザー」などの岡田尊司さんの研究のマイルストーン,
By どんぐり (埼玉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書) (新書)
タイトルが「愛着障害」。サブタイトルに「子ども時代を引きずる人々」とあります。 人は、生後六ヶ月からだいたい3歳くらいまでに、 ある特定の人物と「愛着関係」を築くと著者はいいます。 たった一人の人と信頼関係を結び、 その信頼関係を結んだ人を「安全基地」として、 少しずつ少しずつ、世界を広げていく。 冒険心を持って一歩外に出て、もし痛い出来事が起きたら、 泣きながらその「安全基地」に戻ればいい。 そこでは必ず自分は愛されていて、かならず抱きしめて なぐさめてもらえるから。 そうして十分甘えたら、また外の世界に冒険の一歩を踏み出す。 そうして人というのは自分の世界を広げていくのだ、と。 そして、この本は、その「安全基地」を持てなかった人の話です。 バラク・オバマもビル・クリントンも、谷崎潤一郎も太宰治も そしてあのステーブ・ジョブズも「愛着障害」だった、 と、数多く人の人生をひもときながら、 「愛着障害」とはどんな障害か、そしてどんな特徴があるかを 著者は描いていきます。 夏目漱石もA・ヘミングウェイも、M・エンデも。 精神分析家のE・エリクソンも放浪の俳人・種田山頭火も。 読みながら、泣いてしまいました。 私も、「安全基地」を持たないままに大人になったひとりです。 うつ病も経験しました、そして私には認知療法も カウンセリングも効かなかった。 なぜ「愛着障害」の人に認知療法やカウンセリングが 効果がないのか、それも書いてあります。 今の精神医療には「愛着」という視点が抜けている、と。 そこに注目しなければ治らない人々というのがいるのだ、と。 「根源的自己否定感」という言葉が、私にはぴったりでした。 何年もセラピーを受け続けてもまだ生きづらい人、 カウンセラーやセラピストを志す人やその職業の人に ぜひ、読んでいただきたい一冊です。
34 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
愛着理論の新たなる展開,
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レビュー対象商品: 愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書) (新書)
実に読みやすく、一般向けにつづられた本書だが、精神医学的な観点からみると、著者はいくつもの果敢な冒険を行っている。その一つは、これまで愛着障害といえば、反応性愛着障害のことで、被虐待児の問題のことであったが、その従来の狭い視点を超えて、不安定な愛着がもたらすさまざまな問題を愛着スペクトラム障害としてとらえなおすことで、発達障害といっしょくたにして扱われていた問題に、別の角度から光を当てようとしていることである。三分の一もの子どもや成人が不安定型愛着を示すということを考えれば、今日起きている、さまざまな問題の陰に潜んでいるということに納得がいくのである。その意味で、本書のいう愛着障害とは、広い意味での愛着障害、愛着スペクトラム障害のことを意味している。中でも、特に興味をひかれたのは、依存症や過食症、境界性パーソナリティ障害、万引きや非行との関連である。非婚化や草食系男子も、回避型の愛着障害の浸透と無関係ではないのかもしれない。愛着システムが弱ってきているとしたら、そうしたことが起きるのも必然といえるかもしれない。著者には、是非社会的な観点から愛着の問題を論じていただきたい。個人的に言えば、愛着障害を抱えた人では、子どもを持つことに抵抗を覚え、子育てにも困難を感じやすいとあったが、思い当たる節がないではない。もう一つは、治療にかかわるもので、従来型の治療、精神分析にしろ認知行動療法にしろ、通常の心理療法にしろ、薬物療法にしろ、なぜ、困難なケースほど、改善するどころか悪化したり、ドロップアウトして終わるのかという問題に対して、著者は不安定型愛着に対して、従来型の治療は適さないという結論を示す。そして、同時に、困難なケースで治療がうまくいくときには、この愛着の問題に対して必要な手当てが行われていることを論じ、今日の精神医学の根本的な課題を指摘している。
33 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
自分の人生をふり返れました!,
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レビュー対象商品: 愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書) (新書)
300ページあまりと新書では、やや厚めですが、一気に読んでしまいました。愛着とは何か、愛着障害や愛着スタイルとは何かが、わかりやすく、また印象的な具体例とともに説明されているので、よく理解できるとともに、心を動かされるものもありました。愛着は、発達やパーソナリティの土台となるものなので、愛着に問題があると、発達やパーソナリティの形成にも影響するというのは、よく納得できました。愛着障害というと、これまでは、虐待などで幼児に起きる反応性愛着障害のことを意味したようですが、本書は愛着の問題をもっと大きな視点でとらえ、子どもから大人まで広がる不安定型愛着スタイルについて詳しく述べているのが特徴です。子ども時代を引きずる人々の一人としては、自分に重なることが多く、途中でいろいろな思いがわきおこってきました。自分の人生をふりかえるきっかけになった思います。最後は、もやもやしたものがすっきりとして、希望を感じることができました。自分の行動を小さいころから身に着けたものが、しらずしらず支配しているということは、これまで感じていたことでしたが、それが「愛着スタイル」としてはっきりしした感じです。愛着スタイルは環境的要因の関与が7割くらいと大きいにもかかわらず、まるで遺伝的要因と同じくらい強くその人の人生に影響を及ぼすという点に、なるほどという思いと同時に、怖さを感じました。だからこそ、愛着の絆を守ることが大切なのだと思いました。 巻末に「愛着スタイル診断テスト」がついていて、やってみると、「不安−安定型」という結果でした。確かに不安型愛着スタイルの特徴と一致する点が多く、特に、パートナーに対して評価が厳しくなる点など、アドバイスを生かしたいと思います。まだ医療の世界では、愛着障害というものへの認識も治療も未発達のようですが、三分の一もの成人が不安定型愛着をかかえているとすると、もっと認識を深めてほしいですね。
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