リード曲「愛撫」は5thアルバムでも清春さんの新境地を強く印象づけたグラムロックナンバー。激しいグルーブの曲の中で愛する人への無償の愛が綴られた歌詞が切実に歌われています。こういったテーマの楽曲だと、割と聞き手に重い印象を与えがちなのですが、5thアルバムで見せた、ひとつのテーマのリリックを様々なジャンルの曲で自在に操って歌い上げる彼の楽曲の構成力が力強く発揮されているので、そのかっこ良さは一聴の価値ありです。サビ部分のコーラスなどでシングルバージョンにアレンジされてますが、正直めちゃくちゃポップという曲ではないです。しかし、年代を重ねて追及されたロックだけに、どっしりと腹の据わった聴き応えのある楽曲なのでぜひ様々なジャンルのリスナーさんにお勧めしたいですね。
カップリングの「狂気のスターダスト」は、sads時代の半狂乱なシャウトや歌い回しが蘇ったかのようなロックナンバー。ただ、あの頃のようなアップテンポの勢いに満ちた印象というよりは、もっと深く根の張った音楽性からにじみ出る激しさが伺えます。枯れてしゃがれた声も曲のイメージに合っててかなりいいです。
3曲目の「陽炎」は退廃的なサウンドの中で「影」、「安らぎ」という独特なワードの世界観に彩られた歌詞が印象的な楽曲です。最初に聴いた時は結構あくの強い印象を受けましたが、聴けば聴くほどに味が出てきますので、お勧めします。