ここ2、3年、鈴木邦男はきわめてリベラルである。
愛国のプロを自認しつつも、平和を希求する。
それは、今の日本に蔓延している愛国主義に疑問を感じているからだ。
愛国の先には「平和」がなくてはならない。これが彼の基本思想だ。
特攻隊で死んだ人も、二度と戦争など起こさないようにと願って逝ったはずだと断言する。
あの戦争を正当化することによって、日本人としての誇りを保とうという愛国者が増えた。
もちろん、すべてを否定することはない。
しかし少なくとも、「国を大切にしたい」というのであれば、
戦争は起こしてはならないと考えるのが本当の愛国心ではないだろうか。
――最近鈴木邦男はそういう主旨のことをよく口にする。
細かい部分で異議を挟みたくなる点もあるが、
私も彼の意見に賛成である。
本書はその鈴木氏の「愛国者としての40年」の総決算のようなものだ。
彼は迷いながら、こんなことまで書いていいのか、自分の活動を否定することにならないか
と行きつ戻りつ、筆を進める。
自らの「迷い」まで吐露したのは、氏の誠実さゆえだろう。
キーワードは「玉砕」である。この言葉のために日本人は滅ぼされかかった。
死を煽る「誇りの美学」を痛烈に批判し、
真に国を憂う著者の心情が伝わってくる。