−私は決して猫が好きなのではない。猫を飼うのも下手だ。
ただ、友達になった相手がたまたま猫だった。
その友を出来れば裏切りたくなかったのだ。−
冒頭に出てくる文章のとおり、著者は猫をペットとしては見ていない。
マンションのゴミ置き場で死にそうな風情の子猫を見かけ、
子猫は苦手で触り方もわからないのに、保護するために
手製の道具を用意する。対人恐怖とうつ状態にありながら、
猫と接する態度は非常に真摯で、そのために猫嫌いの人からは
格好の標的として嫌がらせをされる。
「野良猫は自由気まま」という考えを一蹴し、
「猫を一掃するために」毒を撒かれる危険や、
ゴミの中のタマネギやビニール袋、吸殻など、
猫が口にしたら危険なものに思いを巡らせる。
子猫の里親面接では、猫の安全と平和に気を配るあまり
チェックが厳しすぎて誰も残らない。
喜劇、ではない。
無責任な飼い主が放置する猫たちが、
日々どれだけの危険にさらされているか考えさせられる。
内容は笑えないが、保護された猫たちが身奇麗に美しく成長し、
くつろいだ表情をみせている写真の数々に
著者の猫への接し方が伺えて、猫たちの幸せが嬉しくなる。
「猫を飼うのが下手」というのは、人間の都合にあわせて
要領よく猫を飼うのが下手だという意味かと思った。
猫たちは、どれも自由に幸せそうに写っていた。