アマゾンのレビューは,ファンの交流の場でもあると思うが,
その種のコメントは,「上巻」のレビュー欄や,ジェッツコミック版の「愛人」欄にも多数あり,
そちらも見て欲しいと思う.
こうして,再出版されたからには,
この作品を応援している数多くの人々の存在を感じる.
また,特別愛蔵版の上巻のみを買い求めた人は,ほぼ間違いなく,下巻を
求めることであろう.ファンの広がりを感じる.
「愛人」は,明らかに大人向けの作品.
上巻では,主人公2人の,死の運命が強く暗示される.
萌え要素はない. なぐさめのために人間を求めるという「いかがわしさ」で物語が始まる.
タイトルの「愛人」そのものが,いかがわしい.
しかし,物語が進み,主人公2人を見るうちに,
どうか幸せになりますように,と強く願わずにいられない.
何か,とんでもない奇跡が起きて,2人には,おだやかな幸せが訪れるのではないか.
そんな淡い期待を抱かずにいられない.
下巻は結末である.もはや続編を感じさせないくらいに,物語は完全な終結を迎える.
謎は数多く残るものの,主人公2人の姿は完全に描ききっている.
卓越した渾身の一作であることは確か.しかし,こうした拙い表現では
「この作品の良さを,多くの人に伝えたいんだぜ.へへっ」
という上から目線になりはしないか,とても不安である.
こんなレビューでは全く不足である.本作の全てのページが圧倒的な迫力を持っている.