後の「扇情的家族」に繋がる物語が冒頭に2話収録、小悪魔的な写真家少女(?)を主役にした物語が4話収録、それ以外は1話完結のオムニバスです。完成された絵柄と作者自身の哲学を根底に据えた物語で、1話1話読み応えがあります。
特に圧巻なのが写真家少女を主役に展開するエピソードの1話目に登場するヒロイン・柊つぐみさん。地味な眼鏡っ娘なのですが、彼女を慕う青年の前でヌードを撮られることになり、そこで写真家少女に言葉で過去の男性経験を白状させられます。つぐみさんの男性経験はそれそのものが彼女の自己表現なのだ、と少女に指摘され、青年とともに絶頂を迎えます。ほんの10ページに満たないエピソードなのですが、つぐみさんの表情と少女の言葉責め(?)で、コマの外に展開したであろう淫靡な物語がじわじわ伝わってきます。これを読むと、何も直接的な表現でHを描かなくても、ツボを押さえた演出と展開で十分にHコミックとして完成するのだな、と認識させられます。これは相当な実力がないと出来ないと思います。(蛇足ですが、その後彼女がどうなったのか、とても気になります)本当に凄い。
このコミックでの眼鏡っ娘は柊つぐみさんだけです。それ以外の眼鏡っ娘は登場しないので、コミック全体の眼鏡っ娘濃度はそんなに高くないですが、前述のエピソードの主役といえる存在なので、ふうたまろ作品別に見てみれば、つぐみさんのエピソードはまさに眼鏡っ娘濃度ベスト1。願わくは、柊つぐみさんを主人公とするスピンオフ作品の登場です。
・・残念なのは、写真家少女と1,2話に登場する女の子との書き分けが上手くいっていない点。髪型がまったく一緒なので、最初は同一人物と思ってしまいました。どうしてこんなデザインで行こうとしたのか、この部分だけは理解に苦しみます。
そういうわけで、星一つ減です。
このジャンルでの新作、楽しみにしています(つぐみさんのスピンオフも是非)。