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愛は戦いの彼方へ―戦争に裂かれたキエンとフォンの物語
 
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愛は戦いの彼方へ―戦争に裂かれたキエンとフォンの物語 [単行本]

バオ ニン , B´ao Ninh , 大川 均
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

これは、戦争を担うために生まれたようなベトナムの若い世代の、キエンとフォンの悲恋物語だ。過去と現在、虚と実の間を、主人公の混濁した意識の流れのままに自在に行き来する、一見、雑然とした体裁をとって、北ベトナム軍兵士たちの、どこの国の軍隊とも共通する、善悪を合わせ持った、ありのままの姿を描いている…。ベトナム戦時下の青春を描く永遠の戦争文学ベトナム原著からの邦訳、完成。

内容(「MARC」データベースより)

北ベトナム陸軍の志願兵キエンは米軍、南軍と死闘を続け、戦後は遺骨収拾隊員としてジャングルをめぐり、除隊後に作家となった。しかし戦争の心的外傷に苦しみ、幼なじみのフォンとの恋にも破れ、ついには精神の崩壊へと進む。

登録情報

  • 単行本: 299ページ
  • 出版社: 遊タイム出版 (1999/01)
  • ISBN-10: 4946496017
  • ISBN-13: 978-4946496011
  • 発売日: 1999/01
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 695,167位 (本のベストセラーを見る)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 大川版vs.井川版 正しい訳はどっち?, 2004/8/15
By カスタマー
レビュー対象商品: 愛は戦いの彼方へ―戦争に裂かれたキエンとフォンの物語 (単行本)
井川一久氏訳による『戦争の悲しみ』(ISBN: 4839700923  めるくまーる社)はハノイ政府擁護の立場からバオ・ニン氏の原作を著しく歪曲していると批判した大川均氏が、「こちらこそ正しい訳」と名乗りをあげて出版したいわくつきの本。現代作家の同じ作品の訳書が短期間に二冊相次いで出版され、訳者がお互いに攻撃しあうという異例の事態を招いた。どちらの訳が正しいのか決着がつくまで星のつけようがないので、「中立」の立場からひとまず星3つとしておく。ベトナム語の達人による審判を望む!
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5つ星のうち 5.0 激しく狂おしい時代の人生の美しさと悲しさ 見事な一編, 2010/10/16
レビュー対象商品: 愛は戦いの彼方へ―戦争に裂かれたキエンとフォンの物語 (単行本)
全編を通して凝縮された美しさが深く重い悲しみに静かに融合し、激しく狂おしく、時には幻想的な戦闘シーンでさえも過ぎ去ってみると静謐な一枚の絵の中に納まっている。散文でありながら漢詩の叙情性を思い起こさせる...この作品に魅せられ、英訳、井川一久訳、大川均訳を読むこととなりました。仕事でホーチミンのタンソンニャット空港に降り立つといつも、あの場面はどのターミナルで起きたのだろうかと心をめぐらしてしまいます。

この作品の本質と特徴は、井川訳の解説に掲載されている著者バオ・ニンの言葉に凝縮されています。

「戦争文学にも、ある種のヴェトナム的特色はありました。敵となった個々の男女を決して憎まないということ、敵味方の死者に涙を惜しまないということ、また戦場の片隅に咲く風蘭の花にも愁いを感ずるというようなこと...私は戦争がむき出しにした人間本来の悲劇性を描いたつもりです。戦時の恋愛の悲劇性を含めてね。これが主なモチーフです。戦争はしばしば人間の生き方ばかりか性向まで変えてしまう。だから主人公のキエンと恋人のフォンは、戦後もずっと愛し合っていながら分かれなければならない...この小説のプロットはフィクションですが、個々の場面はすべて事実か、または事実を別の事実とミックスして変形したものです。主人公のキエンは、半分だけ私の分身です。彼の永遠の恋人フォンも、戦時のハノイに実在した女性たち、特に女子学生たちのイメージを重ね合わせて造型したものです。ある知人は、フォンは一昔前の日本女性のあるタイプに似ているといいます。本当だと嬉しいですね。日本は百年前から、私たちヴェトナム人の夢の目標でした。」

井川訳と大川訳との間で正当性が議論されたことがありましたが、単純に読み手の視点から見ると両訳とも美しく甲乙はつけがたいと思います。あえて言うと井川訳の方がより叙述的であり戦闘シーンはよりリアルに響きます。これは訳者である井川氏ご本人が朝日新聞の記者として自ら戦闘の現場に長い年月身を置いたことによるものでしょう。背景情報も傍注の形でより詳しく説明されているため、基本的史実を知らない読者にとっては大きな一助になると思います。ただ、本作品全編を貫く詩的な美しさという点から見ると、井川訳でも大川訳でもなく、英訳が頭ひとつ抜き出ているというのが読後の印象です。この感動的な作品をいつの日か原文で読んでみたいものです。
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