この作家さんはどんな職業でも仕事をする男を書かせたらBL界で
右に出るものなし!と勝手に(笑)思っているのですが、
まさかそれが「穴子屋」にまで及ぶとは!(脱帽)
幼馴染同士の、穴子屋三代目以和とTV局の人気アナウンサーで
地元の星の光至。
単純な下町っ子の以和に、覚えのない10歳のときの結婚(笑)の
約束を盾に強引に迫る老獪な光至。
あとがきにあるように、リバでもおかしくない男同士の
かけひきで、この著者にはめずらしいと感じるほどの
ハイテンションでちょっと頭一つ突き抜けた感のあるラブコメディです。
Hシーンで「しばらくお待ちください」のテロップを
読んだのは初めてだ(笑)。
男同士で大真面目に結婚を論じたり、
どちらが上か下かで揉めてみたり、
二人が真面目であれば真面目なほど読み手としては滑稽
で笑えてしまうのですが、
見た目は冷淡なのに、光至ただひたすら一途に以和が好きなだけで、
意外なほどの不器用さや臆病さを見せるし、
対して迫られる以和は、男前で窮地になればバシッと決めるくせに、
恋人にはベタベタしたい甘ったれた面も持っていて、
明らかに光至>以和の恋情が、様々な出来事を通じて成長していく
様が読み応えのある、気持ちよく読める一作です。
受けが綺麗でおとなしい線の細いタイプがお好みの方には
向かないかもしれません(笑)。
下手なトラウマや無駄な悩みや陰鬱な暗さとは無縁で、
対等で男らしい二人で、仕事に真剣で、後味のいいエンターテイメントな
一作。ストーリーもしっかりしていて、お薦めです。
著者の別作品からのちょこっとリンクには、イチオシカップルが
登場して、その点も楽しかった!