まず僕のように、クラシックに詳しくないので曲がわからないな、という不安をお持ちの方もいらっしゃるだろうかと思います。しかし自分が聴いたところ、今作ではどの曲も有名、或いは美しい旋律のものばかりなので、美しさを買いたい、と思われるのでしたら思い切って購入されても、きっと効用は高く返ってくると思われます。
一方で、いかにも合唱っぽいとか、声楽独特の癖はちょっと苦手という方でも、彼女らはヴィブラートを極力抑え、綺麗な音が真っ直ぐ柔らかく教会の天上へ飛んでゆくような歌声なので、左記のようなイメージとは違う、独特の美しさが味わえます。甘美さ、優雅さの点では当に“天上の歌声”と呼ばれるに相応しいかと思いますね。
また凄いなあと思うのは、今作に収められている有名曲達が、コーラスのアレンジに際してそのよさが保存されたまま、その美しさが二乗三乗になって我々に届けられている点ですね。プロデューサーの書上奈朋子さん(クロスオーバーの第一人者)のマジックなのでしょう。彼女らの透明感は常に原曲を尊重して、そしてリスナーの耳を第一に考えて編曲されている気がします。だから歌声が全然嫌らしくない。謙虚さ、慎ましさを感じるのです。遠くで、または天上で余韻のように至福の音が“鳴っている”という感覚です。この心地よさや神聖さはどうだ、とびっくりしました。やがて心が落ち着き、とても温かい気持ちにつつまれます。十人十色で目を閉じると、この音楽から見えてくるものがありそうです。
「愛のロマンス」は05年スペイン製作の正月映画「キャロルの初恋」のイメージソングに起用されました。