本著は単なる技巧解説を目的とした「性愛指南書」ではない。
私(30代)と同世代の多くの方々は、性愛について親から教えられるということはなかったと思う。性愛の知識は、好奇心旺盛な先輩から始まり、ファッション誌、エロ本、アダルトビデオを通じて得たモノがほとんどであり、それは見ることにより性的興奮を得る、商業化され、グローバル化、標準化されたものであった。
そのため、男性にとっての恋愛におけるセックスでは、自身の欲求を満足させるだけの段階から卒業し、相手に愛情を伝えるためのセックスをしたいと思う者でさえ、標準化された一連の作業によって相手をイカすことが目的となり、イカすことができていれば、自分の性愛術に疑問を持つことなどなかった。
多分、女性も同様で、さながら現代のセックスは、二人でするマスターベーションのようだ。
しかし、イカすことだけでは、心が通じ合い、互いが真に満足できるセックスにはなり得ていないことを本著は教えてくれており、我々の世代、特に、付きあっても長続きしない人には是非、一読をお勧めしたい本である。