中村うさぎさんの同名小説をドラマ化した作品ですが、原作を読まずにこの作品だけ見るのはちょっと
キツイ感じがします。ひとりのカリスマホストに翻弄される3人の女を断片的にしか見る事ができないので。
特にマリエのかつて愛したホスト、ルナに溺れた過去にはほとんど触れることができず、リョウに求める悲劇的な
愛の源がどこから来るのか、ドラマだけでは伝わってきません。同じカットを多用した演出も時間軸を錯綜させて
そのシーンの前後を展開させ、ホストと女たちの揺れを表現したかったのかなとも感じましたが、それよりも
ひとりひとりの心の闇をもっと時間いっぱい掘り下げて見せてほしかったと思います。
原作であらゆる表現で何度も描かれ、自分の中でも描ききれなかったリョウの美しさ。コズエの言葉で
「きれいにうまれてきたひとは、それだけで、かみさまにあいされているのです。」と表現された
‘完璧に美しいリョウ’はまさにこのドラマの伊藤英明のこと。神々しいまでに美しい姿には見ていて
恐怖すら感じます。カッコイイ男は溢れていても、それだけでは女は壊れるほど嵌りません。恐ろしいほどのオーラを
放つ伊藤英明を見るだけでも一見の価値ありです。
細かい人物設定が違いますし、単に映像化したものとして見るより原作のエッセンスをうまく拾って綺麗に仕上げた
別作品としてみるとなかなかいいと思います。あまりに原作に忠実ではほとんどホラー(?)になる1話もいい具合に
押さえぎみでまとまっています。
原作を読んでから、このドラマを見ると細やかな感情を補完できて楽しめます。