いやあ、面白いねぇ。泣いて、笑って、感動しました。新書ならではの程よいボリューム感も手伝い、一気読みしてしまった。いわゆるタレント本に分類される本の中にあって面白さは出色。例えば、自分の経験した貧しさを書いた本なら麒麟・田村の『ホームレス中学生』が有名だが、ガッツ石松にもそれに負けないエピソードがある。しかも、それが、ときには『一杯のかけそば』のような物語風に、ときには切れ味鋭いコラム風にまとめられているところが、この本のクオリティ。
少年時代の孤独、上京しボクシングで世界チャンピオンになるまでの苦闘、芸能界デビュー後に舐めた辛酸、衆院選落選後の大借金と絶望……。彼の人生自体が波乱に富んでいる上、そうした数々の危機を突破したパワフルな行動力や今どきの日本人が失いがちな価値観が、石松ならではのユニークな語り口で綴られている。教えられることは非常に多い。島田洋七の『がばいばあちゃん』にも比肩する名著だと断言したい!